スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『氷菓』

氷菓 限定版 第1巻 [DVD]氷菓 限定版 第1巻 [DVD]
(2012/06/29)
中村悠一、佐藤聡美 他

商品詳細を見る

米澤穂信原作の青春ミステリー小説をアニメ化した作品。神山高校古典部に所属する面々が、日常で起こった謎を推理で紐解いていく。ミステリー作品といえば、謎めいた殺人事件だとか、失われた重要書類を発見するだとか、謎の怪人と対峙するだとか、そういった違法的な出来事を解決するイメージしかなかったので、この作品の日常の中にふっと湧いた謎を解決するスタイルは非常に新鮮で面白かった(後で知ったことだが、このようなスタイルのミステリーは“日常の謎”というジャンルとして確立されているらしい)。事件の規模があくまでも日常から逸脱していないのに、物語としては非常に重厚で後味がほろ苦いのも魅力的だ。なんとなく手に取った私は、その世界観にすっかりのめりこんでしまって、一気に最後まで鑑賞してしまった。元来、ミステリー映画が好きな人間ではあったのだが、よもやここまでハマってしまうとは……。

物語は、古典部の文集“氷菓”に秘められた謎を追う【氷菓】編、文化祭に向けて2年F組が制作していた未完成のミステリー映画の結末を推理する【愚者のエンドロール】編、文化祭の最中に起きた連続盗難事件の犯人を追う【クドリャフカの順番】編という三つの長編と、いくつかの短編作によって構成されている。当然のことながら、長編作品はいずれもしっかりと面白いのだが、個人的にはむしろ、その日常性に特化している短編にこそ魅力を感じた。例えば、第6話『大罪を犯す』では、授業の進行状況を勘違いしていた数学教師が、どうしてそのような間違いを犯したのかを推理する。言葉にすると、本当にどうでもいいことのように思えるが、これがなかなかスリリングで面白いのだ。幾つかの数少ない素材から、おおよその答えへと辿り着く行程が非常に気持ちいい。スリリング性と素材の少なさでいえば、第19話『心あたりのある者は』が秀逸だ。生徒を呼び出す校内放送のちょっとした内容から、その意図を推理する。少ないきっかけでここまでしっかりと推理できるものなのか!と、凡人たる私はひたすら感動するばかりであった。

無論、アニメーション作品としても、よく出来ている。多感な古典部の面々は感情豊かに表情を変えていて、とても魅力的に見えるし、そんな彼らを包み込むリアルな背景も世界観をしっかりと構築している。目立たない程度に流れているBGMも効果的だ。盛り上がる場面ではしっかりと盛り上げてくれるし、不穏な場面ではじんわりと不安を煽り、不必要な時には流れない。わきまえている。演出面においては、初期の段階では少々やりすぎている感が否めないこともあったが(主に、古典部に謎を持ち込んでくるヒロイン・千反田えるが「私、気になります!」とお決まりの台詞を口にするシーン)、回を重ねるごとに落ち着いてきた。

とにかく面白かった。いい作品だった。いつか、また続編が作られると大変に嬉しい。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

検索フォーム
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。