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『日本の夏、天狗の夏』(藤本和也)

日本の夏、天狗の夏。日本の夏、天狗の夏。
(2005/01)
藤本 和也

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広島の大学に通っていた頃、市内の方にあったヴィレッジヴァンガードで見つけて購入。女子高生に天狗の面というアンバランスな組み合わせの表紙に惹かれて買ったように記憶している。画のタッチは、コミック・ビームでたまに作品を掲載している山川直人を彷彿とさせる、昭和の味を含ませたデフォルメが印象的だが、作風は意外とエロティック。旅先のそば屋の娘と身体を重ねたり(『そば屋の娘』)、インスタントカメラでなし崩しに同棲中の彼女の良からぬ部分を撮影したり(『カメラが欲しい』)、女が目を覚ますとベッドの隣で見知らぬ男が眠っていたり(『隣りの女』)。そう考えると、女子高生と天狗の面という組み合わせも……まあ、分からなくもない(表題作『日本の夏、天狗の夏。』は決してイヤらしい作品ではないのだが)。その一方で、スヌーピーやオバQのパロディなどもあって、なかなか幅が広い。

藤本漫画の最大の魅力は、その独特のテンポにある。ちょっとした会話の合間に挟み込まれる、これといって特に何があるわけでもないシーン、例えば、日常的な町の静かな一瞬や、会話が詰まる一瞬などが、作風と相俟って風味を一層引き立てるのである。それはまるで、何も予定の無い休日に、何も予定を入れることなく時間を過ごしている様な、無為な時間に似ている。学生時代に購入した本ではあるが、それは当時の時間の過ごし方をも思わせて、なんだかとても懐かしくなった。長らく、本棚の隅に置いてあったのだが、久しぶりに引っ張り出して読んでみたらなかなか面白かったので、その記録として記事にしてみた。この本が出版されてから、もう8年。以後、一般流通している単行本は、一冊も出ていないらしい。同人誌は幾つか作っているようだが、なかなか手が届かない現状はなんとも惜しい。
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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