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柳家三三『三三三九四七』(岡山)

『三三三九四七』を鑑賞するために岡山へ行く。

『三三三九四七』とは、落語界の若手ホープとの呼び声が高い柳家三三師匠による独演会のことである。2013年に47都道府県で47日間連続独演会を開催する全国行脚『三三五五四七』を達成した三三師匠が、その感謝の気持ちを込めて、改めて47都道府県を巡っているのだそうだ。そのコンセプトの変化に伴い、タイトルも“五五(ゴーゴー!)”から“三九(サンキュー!)”へと替えられている。どうしてもダジャレを貫きたいのか。

僕は当初、『三三三九四七』岡山公演を鑑賞する予定ではなかった。『三三五五四七』香川公演で鑑賞した落語にピンとこなかったこと(当時の感想はこちら)、47都道府県を巡るのならいずれ香川にも来るだろうからわざわざ瀬戸大橋を渡ってまで観に行く必要はないだろう、というのがその理由だ。しかし、1月に天満天神繁盛亭を訪れて、2月に近場で開催された3つの独演会を回り、4月に『柳家小三治独演会』を鑑賞する予定……というスケジュールを確認していて、なんとなく「どうも3月に落語を観る予定がないのはバランスが良くないな」という気持ちになってしまい、今回の鑑賞に至った次第である。とどのつまりは穴埋めなわけで、なんとも失礼な話。

岡山駅に到着したのが12時半を回ったところ。何も食べずに出てきたので、兎にも角にも食事をしなくては……と、駅からそれなりに距離が離れているラーメン屋「一風堂」へ。豚骨ラーメンが売りの店で、替え玉が出来る点が大食漢には有難い。店員さんも活気づいていて、よく気が回っている。注文が通るのも早い。イイ店だ。食後、少し歩いて紀伊國屋書店へ。電車での移動中に読もうと思って持参した『福家警部補の再訪』を読み終えてしまったので、その代わりとして、『三人目の幽霊』を購入する。落語雑誌の編集部に属する二人が謎を解決するという、落語好きでミステリにも興味津々な自分には最適な一冊だ。この時点で、既に開場時刻は過ぎていたので、会場である「山陽新聞社 さん太ホール」へと一直線に向かう。先月、『桂塩鯛独演会』を鑑賞した、あの場所である。当時はうっかり居眠りしてしまったので、今度は気を付けなくては……。

チケットをもぎってもらって、ロビーへ。物販コーナーは無く、どことなく落ち着いた雰囲気が漂っている。「これも三三師匠の人徳なのかな?」とか思いながら、ひとまずトイレへ。今回は全席指定なので、慌てる必要はない。……ってなわけで、呑気に用を足していると、間もなく開演とのアナウンスが流れ始める。おっとっと。ちょっと焦りながらも、ゆっくりホールに入ると……人が少ない。300人くらいのキャパに、半分しか埋まっていない。先月の塩鯛独演会に比べて、明らかに少ない。三三師匠よりも塩鯛師匠の方が、岡山県民には馴染みがあるということなんだろうか。そんなことを思いながら、指定された前から5番目・ステージに向かって左側の席に座る。隣には夫婦と思しき中年の男女が。これだけ空いているのに、わざわざ隣に詰めて座るというのも妙な話だ。

午後2時開演。

いきなり三三師匠が登場。『三三五五四七』と同様、今回もたった一人で高座を務めるようだ。その『三三五五四七』で訪れた場所での話から、男女の嫉妬についての話を経て、短めの滑稽噺『権助提灯』へ。風の強い夜、大家の旦那が妻に「こんな夜はあの子(妾)のところにいてやってください」と言われ、提灯持ちに権助を連れて妾宅へと向かう噺である。個人的にはけっこう好きな演目なのだが、気が付くとウトウト……。展開がシンプルな落語というのは、こちらも流れを知っていることもあって、ついつい瞼が下がり気味になってしまう。とはいえ、同じ轍を踏むわけにはいかない。グッと堪えているうちに、オチを迎える。……が、緞帳は下りない。続けて、これまた男女を描いた『締め込み』が始まる。家に帰って、衣服をまとめた風呂敷包みを見つけた男が、それを泥棒がこさえたものだとは気付かずに妻が出ていく準備をしているのだと勘違い、夫婦喧嘩へとなだれ込む様子を描いた噺だ。亭主の勘違いがきっかけに夫婦喧嘩が勃発する展開(妻にはまったく悪い点はない)であるが故に、亭主の演じ方によってまったく印象が変わってくるネタなのだが、三三師匠は直情的で粗忽な亭主と肝っ玉が据わっている妻がそれぞれ程々にデフォルメしていて、なかなか楽しめた。師匠、以前よりも人物描写にクセが強くなったように感じる。全国を回った成果が出ているのかもしれない。

仲入りを挟んで、後半戦。先日の大雪でゲストに呼ばれた落語会に出られなかったという話をしつつ、『五貫裁き』へ。……マクラが落語の内容とまったく関係無いな! 堅気になって全うに働くことを決意した八五郎が、八百屋を始めるための元手を大家の元へとお願いに行くと、大家は奉加帳を八五郎に渡して「これでカンパを募れ」と。「最初に金持ちのところに行くといい」というアドバイスを受けた八五郎は、奉加帳を片手に飛び出していくが、しばらくして額から血を流しながら戻ってきた。質屋の徳力屋から銭を貰おうとしたが、子どもの小遣いにもならない銭を渡され、激昂して投げ返し、旦那を殴ろうとしたが逆に煙管で殴り返されたという。この話を聞いた大家は、八五郎にこの一件を奉行所に訴え出ることを薦める……。いわゆる「大岡越前」モノ。途中まで大家の意図が見えないために、ちょっとしたミステリの趣きも感じられる一席である。正直、三三師匠の手腕云々以前に、ちょっと珍しい演目(個人的には談志師匠の音源しか聴いたことがない)ということにコーフンしてしまって、その良し悪しについてまったく記憶していない。なんとも情けなや。 とはいえ、何かに引っ掛かることなく、最後までしっかりと楽しめたのは事実。一言で言ってしまうと大満足。香川公演も必ず観に行こうと誓ったのでありました。

20140308ポスター

ところで、会場で今後のスケジュールが書かれた紙を貰ったのだが、それによると『三三三九四七』香川公演は12月13日を予定しているとのこと。……今回、行っておいて良かったな!
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集客

塩鯛師匠には長年の常連さんが付いてらっしゃることもありますが、テレビ局がしっかりついて宣伝されてることも大きいと思いますよ。

No title

なるほど、確かに塩鯛師匠の独演会はテレビでコマーシャルをよく見かけましたが、三三師匠の独演会はまったく見かけませんでしたねえ。テレビ効果、大きいです。
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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