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『オンバト+』第4回チャンピオン大会 感想文

【ファーストステージ】
■THE GEESE【年間3位】
コント『喫茶メロディ』。店内の雰囲気に適した音楽を流している“喫茶メロディ”。しかし、その選曲がちょっとズレていて……。ナンセンスな味わいのコントを得意とするTHE GEESEにしては、かなり王道路線のネタ。語りの場面ではドキュメンタリー番組の主題歌だった『地上の星』が流れ、店長が慎重にコーヒーを運ぶ場面ではスパイ映画『ミッション:インポッシブル』のテーマ曲が流れるなど、かなりオーソドックスなボケが展開している。着実に笑いを取りに行くタイプのコントで、その姿勢から優勝を本気で狙っていたことが伺えるが、むしろオーソドックスであるが故にTHE GEESEの本来の持ち味が損なわれていたように思う。結果は766kb。暫定1位。「やめて、泣いちゃうから! 『ゲド戦記』の曲泣いちゃうから止めてください!」

■ニッチェ【視聴者投票1位】
コント『スポブラ』。中学生のお姉ちゃんの部屋にいとこのケイコちゃん(小学4年生)が遊びに来たのだが、どうも以前と様子が違う。話を聞いてみると、昨日からスポーツブラを着けるようになって、ちょっと大人ぶっているらしい。ところが、お姉ちゃんのブラジャーを見つけて態度が一変……。大人ぶるようになった理由が“スポールブラを着けるようになったから”という着眼点が、女性ならではの発想で面白い。これは男性には難しい視点だろう。とはいえ、ネタの内容はいつものニッチェ。江上演じる熱情的なキャラクターが、そのパワフルな演技で一般人たる近藤をかき乱していた。とても面白かったのだが、修学旅行のくだりで、ちょっとだけ下ネタの匂いを漂わせたのは頂けなかった。せっかく、ブラジャーの話を猥雑にすることなく自然に展開していたのに、あれでは台無しである。「UNO!」は笑ったけど、ねえ……。結果は394kb。暫定2位。「そういうタイプのブラ、実在したんだ……!」

■スーパーマラドーナ【年間2位】
漫才『学校時代の青春』。中学校も高校もあまり行っていなかったという武智は、学校時代の青春を味わったことがない。そんな青春の数々を、田中を相手に演じようとするのだが……。“学校時代の青春”をテーマにしたショートコントの数珠繋ぎ。もっと絞ったテーマであれば統一が取れたのだろうが、一つ一つのシチュエーションに一貫性が無いために、とても散漫な印象を受ける。強烈な個性の登場人物やアイテムを使い回し、全体の流れに一体感を与えるテクニックも使い切れていなくて、ただただ焼け石に水だ。オチもかなり唐突で……。近年のスーパーマラドーナは、個性の弱さを技術でしっかりカバーしていただけに、この出来は非常に不満。ネタ切れだったのだろうか。結果は762kb。暫定2位。「トイプードル飼って♪」

■S×L【年間5位】
漫才『美容師さん』。髪を切りながらお客さんの相談に乗って、そこから恋に発展する……という理由から、美容師さんはモテそうだと思っている酒井。そんなカッコイイ美容師さんをやってみたいからと、加藤を相手にコントを演じようとするのだが……。酒井の願望を素っ頓狂に裏切り続ける加藤のやりとりを中心に、楽屋での酒井の言動をバラしたり、酒井の願望を加藤が演ってしまったり……S×Lが過去に『オンバト+』で披露してきた漫才と、殆ど同じフォーマットで作られている。そこに目立った斬新さはない。が、普遍性はある。初見の人間にも、観たことがある人間にも、しっかりとウケる鉄板の構成。しっかり堪能させていただいた。結果は866kb。暫定1位。ニッチェの予選落ちが決定。「お客さんやってくれ、行くぞ! ……オンバトのじゃねえよ!」

■うしろシティ【年間10位】
コント『監禁』。敵対する組織によって監禁されている二人の男。一人はしっかりとロープでグルグル巻きに縛られているが、もう一人は一本のロープでくるっと巻かれている。そんな状況を受けて、思う。「俺、ナメられてない?」と。危機的状況にも関わらず、扱いのテキトーさから、ついつい自身の存在価値について考えてしまう男の様子は、笑えると同時にほのかに共感。シチュエーションを仕事場で置き換えれば、割と起こりがちな心理なのではないかと。こういう冷笑的な視点は、やっぱり彼らがバナナマン好きであるからこそなんだろうか。男のナメられっぷりがどんどん酷くなっていく展開は面白いんだけど、それ一辺倒で進んでいったことに少し物足りなさも。結果は802kb。暫定2位。スーパーマラドーナの予選落ちが決定。「俺今絶対間に合ってなかったと思うんだよねえ!」

■風藤松原【年間7位】
漫才『友達作り』。子どもの頃に友達作りで苦労したという松原。そんな話題から、友達作りを描いたコントへ。『爆笑オンエアバトル』時代にオンエアされたネタで再挑戦。そのために見覚えのあるボケが多いが、以前よりも漫才師としての腕が磨かれてきたのか、既視感を覚えることなく笑うことが出来た。松原のしれっとした表情で繰り出されるアウトローなボケが、やはり素晴らしい。その鋭利なボケをジャマしない、自然な会話の展開も素晴らしい。勢いづいております。結果は878kb。暫定1位。THE GEESEの予選落ちが決定。「どうやら僕……増えるみたい」

■学天即【年間8位】
漫才『歌』。学天即というコンビ名がなかなか覚えてもらえない。そこで、歌に自信があるという奥田が、自分が歌番組に出ればコンビ名を覚えてもらえるのではないかと提案する。それを受けて張り切る四条。しかし、実は四条はあまり歌が上手ではないらしく……。滑らかな自己紹介から、自然に歌ネタへと入っていく様は流石の一言。独唱からハモりへの流れもスムーズで、彼らの漫才師としての実力を改めて噛み締めさせてもらった。……ただ、自己紹介のくだりに時間を割き過ぎたためか、肝心の歌ネタのくだりが短く感じられてしまって……正直なところ物足りなかった。また、歌ネタのくだりが、お互いの見た目をイジるくだりほど盛り上がらなかったことも、物足りなさの原因なのかもしれない。このトーンで30分くらい演ってくれるっていうのなら、大満足だったんだけどなあ……。結果は498kb。順位変わらず。「何供養やねん、これおい!」

■BLUE RIVER【年間6位】
漫才『特殊能力』。寝る前に、「もしも自分が特殊能力を使えたら、どんな能力が使えるようになったらいいか」を考えている青木。様々な能力の良さを川原に伝えようとするが、どの能力にも難癖をつけられてしまい……。ツッコミの言い分をボケが次から次へと却下するスタイルは、往年のブラックマヨネーズを彷彿とさせる。ただ、観客の予想外の方向へと思考が飛躍していたブラマヨに対し、ブルリバのそれは全て想定の範疇。しかも、その多くが正論の域を出ないため、ただただ空想を現実的な視点で叩き潰すだけの切ない構図に。いっそ、あまりにも青木の空想を受け付けない川原による過剰なほどの正論を、行き過ぎた狂気として描いていれば、面白かったかもしれない。「揚げ足」というには、青木の空想は少し穴が目立ち過ぎた。透明人間になったからって、タクシーに乗ろうとは思わないよ、普通は……。とはいえ、最終回であえてしゃべくり漫才で挑もうとした、その意欲は認められるべき。着眼点は悪くなかったので、今後の進展に期待しております。……偉そうだな! 結果は302kb。順位変わらず。「若い子はスパに行きます!」

■ジグザグジギー【年間4位】
コント『クラスの席順』。クラスの席替えが終わったところにやってきた転校生、その名は“武田歩”。残された最後の席を割り当てられ、全員の席順が決まったところで、とある生徒が先生に提言する。その生徒曰く、席順の名字がしりとりになっているらしく……。計算された仕掛け(組み合わせの成立)とそれを忘れさせるバカバカしさ(名前や組み合わせの強引さ)が見事に融合したコント。個人的に、このネタは『ABCお笑いグランプリ』で既に鑑賞しているので、一度観ているから二度目は無いだろうと思っていたのだが、なかなかどうして面白かった。呑気に席順の法則を発見する宮澤と、その度に焦りを隠せない池田の演技力がなせる技か。あえて作品性に走ろうとせずに、観客が緊張することなく楽しめる下らなさに重きを置いた彼らの姿勢は、実に宜しい。まあ、どちらか良いというわけではないが。結果は914kb。暫定1位となると同時に、ファイナルステージへの進出が決定。「そして、彼らは同姓同名だ!」

■ボーイフレンド【年間9位】
漫才『ミュージシャン』。ミュージシャンになりたかったという黒沼が、今日はミュージシャンとして漫才をやりたいと提案。相方の宮川はそれを渋々了承し、ミュージシャン黒沼との漫才を始めるのだが……。ボケの提案をツッコミが追い抜いてしまう構成は、割とありがち。ミュージシャンのライブパフォーマンスを思わせるテンションを二人が同時に進行する展開は些か挑戦的ではあったが、元来、ハイテンションな漫才を得意とするコンビなので、当たれば大きかったのかもしれない。ただ、当たらなかった。初めてのチャンピオン大会だからなのか、ところどころで緊張が垣間見え、その世界に観客を上手く引き込むことが出来なかったためだろう。……まあ、いきなりのボケが下ネタだと観る人間を選ぶとか、相方をドラム替わりに叩くのはちょっと引くとか、思うところはあるけれど……。ただ、こういうイチかバチかな漫才を、ネタが全てオンエアされることが約束されているチャンピオン大会で披露するのは、ある意味では正しいといえる。結果は418kb。順位変わらず。暫定2位の風藤松原のファイナルステージ進出が決定。「それでは、新メンバーのこと紹介するぜ!」「俺のことかな?」

■ザンゼンジ【年間1位】
コント『ファン』。コンビニのバイト店員が外で休憩をしていると、一人の学生が近づいてくる。話を聞いてみると、学生はそのバイトに接客してもらって以来、彼のファンになったのだという。ちょっと気持ち悪いボケと戸惑いを隠せないツッコミという、キングオブコメディやラバーガールの血脈を思わせるコント。一般人が一般人のファンになるという設定はけっこう不気味で面白かったが、この一年の間に彼らが演じてきた型に囚われないコントと比べると、ちょっとインパクト不足。シンプルで分かりやすいボケも幾つか見られたので、チャンピオン大会に合わせて、ちょっと分かりやすさを重視したのかもしれない。結果は718kb。順位変わらず。暫定3位のS×Lのファイナルステージ進出が決定。「武田botもあります」

S×L、風藤松原、ジグザグジギーの三組がファイナルステージへ。
 
【ファイナルステージ】
■S×L【予選3位】
漫才『バカップル』。彼女が出来たら、周りからバカップルと言われるくらいにラブラブな感じになりたいという酒井。そんな幸せな二人の生活を味わいたいから、加藤を相手にバカップルを演じようとするのだが……。漫才のフォーマット自体はいつものS×Lなのだが、バカップルを本気になって演じている酒井の姿が完全にボケになってしまっているため、従来のネタとは違った味わいに。とはいえ、基本的にはいつものS×L漫才なので、酒井はツッコミとしての役割を捨てることが出来ずに、テンションを振り切りきれない。その辺りにちょっとやきもきした。加藤の酒井イジりもファーストステージほどのインパクトが得られず、全体的に物足りない。「ケイタキングダム……?」

■風藤松原【予選2位】
漫才『小説』。風藤が主人公の小説を書いてきたという松原。小説の内容をナレーションにして、風藤に演技をしてもらうのだが……。ボケのナレーションにツッコミが踊らされるスタイルの漫才。通常の漫才コントでも強烈な印象を残している松原の発想が、ツッコミの妨害が完全に入らないスタイルになったため、より濃厚に反映されている。「ここから埼玉県」「『壊れかけのRadio』のCDの印税」「右手には包丁、左手には包丁職人」などのワードセンスが素晴らしい! ただ、終盤にかけての展開で、漫才のテンションが明らかに下がっていたことが少し気になった。スピードで乗り切ろうとしたのかもしれないが、それまでのパンチが強すぎたため、その中身の無さが変な目立ち方をしていたように思う。

■ジグザグジギー【予選1位】
コント『卒業』。卒業式も終わって、最後のホームルーム。先生が最後の出席を取り始める。一人一人、名前を読み上げるたびに、贈る言葉を述べていく……のだが。ジグザグジギーならではのクドさを前面に押し出したコント。構成の素晴らしさについては言わずもがな。贈る言葉のバリエーションの無さを観客に認識させてからの謎の粉モノ縛り、更に依怙贔屓へと転換する流れは素晴らしかった。ファーストステージのネタもそうだが、彼らのコントがロジックの凄さだけで終わらせない方向性に進んでいることは、もっと称賛されるべきだと思う。しかし、なにより、この場だからこそ出来るオチを持ってきた、その姑息さが素晴らしかった! ……姑息っていうと聞こえが悪いな。でも、こういう計算高さはお笑いの世界で必要とされる部分であると思う。これからも、貪欲に勝利を狙う、マジメなコント職人として生きていってください。「ナオコのオコはオコノミヤキのオコ!」

三組同時に結果発表。

698kb:S×L
822kb:風藤松原
882kb:ジグザグジギー

『オンバト+』四代目チャンピオンはジグザグジギーに決定!


『オンバト+』が終わっても、芸人たちの日々は続いていくんやでぇ。
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非公開コメント

no title

相変わらず 的得てますね。個人的に ニッチェは、変に下ネタに走るとこが 和牛ぽく 今年のKOCジギーよりイケそうな感じがします。
今年は、マセキの若手芸人が躍進しそうで2,3年後にナベプロの若手が躍進しそうな気がしますが?。気のせいでしょうか。

No title

有難うございます。
ニッチェはそろそろキングオブコントいけそうな気がしますけどね。
そろそろ「彼女らしさ」を出せるんじゃないかなーっと。
マセキ・ナベプロについては、個人的にはまだその予感を覚えておりませんです。
ただ、今年の人力舎には期待してます。

No title

全ての終わり…やはり寂しいものですね。

お笑いの存在はいつでも安定しない、だから面白いとも思えますが。

この中では生き残れる者はどのぐらいですかね。

私たちは出来ることをしましょう。

No title

なんで今のタイミングでそのコメントを?w
でも、その通りですね。出来るだけ応援しないといけません。
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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