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『タモリ学』(戸部田誠(てれびのスキマ))

タモリ学 タモリにとって「タモリ」とは何か?タモリ学 タモリにとって「タモリ」とは何か?
(2014/03/26)
戸部田誠 (てれびのスキマ)

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「偽善」「アドリブ」「意味」「言葉」「家族」「他者」「エロス」「仕事」「希望」「タモリ」、これら10の観点からタモリというタレントのアイデンティティに迫った一冊。直接的な取材は一切行わず、テレビ番組の言動や雑誌のインタビュー・コラムなどを適切に引用抜粋し、まとめ上げている。著者はテレビに関する興味深いエピソードをまとめるブログ『てれびのスキマ』で知られる戸部田誠。テレビウォッチャーによる本といえば、80年代から90年代にかけて活躍し、今でも語り草となっているナンシー関を思い出すが、自らの研ぎ澄まされた観察眼だけを頼りにコラムを書き上げていたナンシーに対し、戸部田氏は徹底してデータにこだわっている。ナンシー以後、ただ読者の逆鱗に触れることを目的とした、何の根拠もないエセ毒舌コラムが雨後のタケノコの様に生えてきたが、本書は何も取材しなくてもここまで書けるということをまざまざと見せつけているかのようだ。

先にも書いたように、本書はタモリのアイデンティティに迫る一冊だが、それらの根拠となるエピソードがやたらめったら面白く、読書中は本題をついつい見失ってしまうこともしばしばあった。例えば「偽善」の章では、タモリが偽善的なことを嫌い、しかし一方で偽善の極みにある楽しさを認めていることが書かれているのだが、その過程で紹介されている梅津弥英子(フジテレビアナウンサー)の結婚披露宴での出来事がバカに面白い。スピーチでは「結婚式、クソ喰らえでございます」とのたまい、新郎の友人代表にはタックルを仕掛け、とにかく暴れ回る。遂には、近々結婚の予定を控えている千野志麻がブーケトスを獲るという“出来レース”を見て、千野に向かってまでタックルを仕掛ける。しかも、この時のタモリの服装は、船長が着ているような白いユニフォームだったというのだから、たまらない。こういったエピソードが、本書にはチラホラ紹介されている。それだけでも、十二分に楽しめるぞ。

……きっと、そういう読み方は、筆者が希望するところではないだろう。でも、そういう読み方をすれば、後で色々な発見に遭遇することも出来る。そういった長い付き合いが出来る本なのである。平易で自己主張の少ない文章は再読に向いているし、テーマもそれぞれ我々が人生の落とし穴に落っこちた時の参考に出来そうなことばかりだ。とどのつまり、本書は人生の指南本、人生のマスターピースになりうる普遍性を秘めている。悩んだとき、困ったとき、開きたくなる一冊として、本書は日常の風景になるだろう。そして、それはかつての『笑っていいとも!』におけるタモリと同じと言えるのかもしれない。
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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https://twitter.com/Sugaya03

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