スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

心のために命のために『飛ばしていくよ』


矢野顕子ほどのベテランに「飛ばしていくよ」なんて宣言されると、なんだかちょっとドキドキしてしまう。だって、矢野顕子はわざわざ「飛ばしていくよ」なんて宣言しなくても、いつだって飛ばしていたからだ。ゆるくてふわふわとした歌声に対して、どんな名曲も自己流にアレンジしてしまう我の強さ。ヒットチャートの最前線を突っ走っているアーティストたちとは無縁の立ち位置から、最前線の音楽を取り入れ続ける姿は、どっからどう見ても飛ばしている。そんな彼女が、わざわざ「飛ばしていくよ」というのだから、それはもうとんでもない事態が想定されて当然なのである。で、実際に、とんでもなかった。

「待ってなくていいかな」という一文で始まる『飛ばしていくよ』は、周囲の視線がもたらす束縛からの脱却を訴えたメッセージソングだ。ただ、こういった曲を歌うとき、矢野はそこに第三者を据えていることが多かった。例えば、『GO GIRL』という曲でも、「あざわらい うしろゆび つめたいひとたち そんなもんに負けちゃだめよ」という歌詞があるが、最終的には「あなたのこと大好きって 決めてしまった」と“あなた”の存在を提示している。しかし、『飛ばしていくよ』には、そういった存在が確認できない。そこには“わたし”しか存在しない。依存する対象がいない。故に、この曲はより力強く、個人へと突き刺さる。

この心だれのもの わたしだけのものでしょ
守ってあげるよ 全力で
気にしなくていいよね ちょっとくらい血がでても
命の方が大切でしょ


飛ばすことで受ける傷よりも、走り去らないことで失う“命”の大切さについて、考えさせられる一曲である。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

検索フォーム
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。