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「立川志の輔独演会」(岡山)

2014年5月22日、岡山市民文化ホールへと「立川志の輔独演会」の鑑賞に出向いた。同所で志の輔師匠の独演会を観るのは、これが三度目となる。一度目は2011年7月、二度目は2012年9月のことだった。当時の感想をブログに書き残しているので、気になる人は過去ログを確認してみるのもいいかもしれない。まあ、大した文章ではないけれど。

18時30分開演。前座は志の輔門下の立川志の太郎さん。ベトナムで格安の靴を買ったというマクラから、金の無い連中が酒やツマミを都合して飲み会を画策する古典落語『寄合酒』へ。各自が手に入れたツマミの入手経路に関するエピソードを連ねた演目で、オチが分かっているとどうしても冗長になってしまうのだが、志の太郎さんは不必要な部分をしっかり切り取って要点だけを抽出していたので、無理なく楽しむことが出来た。面白いけれどクセはない、前座の仕事をきっちりとこなした素晴らしい口演だったといえるだろう。

続けて、今回の主役である立川志の輔師匠が登場。移動手段(新幹線、リニアモーターカー等)に関するマクラから、清水義範の短編小説を原作とした新作落語『みどりの窓口』を披露した。みどりの窓口にやってくる人たちの主張に振り回される駅員の姿を描いた演目で、その現代的な設定とリアルだけどコミカルな人々の描写が笑いを誘う。人気の高い演目で、過去にCD化もされている。僕も何度か音源を耳にしているのだが、大いに笑わせてもらった。人間がしっかりと描かれているので、不意に飛び出す理不尽だけど理解できる言い回しの面白さから、どうしても逃れられない。……いや、逃れる必要は無いのだが。オチも素晴らしいのだが、今回はちょっと流し気味に落としていたような。

志の輔らくごのごらく(3)「みどりの窓口」「しじみ売り」―「朝日名人会」ライヴシリーズ31志の輔らくごのごらく(3)「みどりの窓口」「しじみ売り」―「朝日名人会」ライヴシリーズ31
(2005/11/23)
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仲入り。トイレは相変わらず混む。小便を容易に処理できない女性は大変だと、改めて思う。

仲入り後、まずは長唄三味線の松永鉄九郎さんが登場。前回の独演会でも三味線を披露されていた方だ。相変わらず三味線の音色は心地良く、聴いている人間の気持ちをまったりとさせてくれる。『鷺娘』という曲を演奏していた。「サギムスメと言っても、「(電話を持ちながら)私、私……」というアレではありません」と、妙に笑わせ上手になっていたような。そのうち名義が三味線漫談になるのかもしれない。

トリは言うまでもなく志の輔師匠。マクラも振らずに、いきなり古典落語『帯久』を始める。帯屋久七という帯を扱った商売をしている男が、同じ町内で呉服屋を営んでいる和泉屋与兵衛の元を訪ねる。用件は金である。二十両の金を貸してほしい、という。そんな久七の要望を、人のいい与兵衛はすんなりと受け入れる。その姿に心を打たれたのか、久七も一月と経たないうちに金を返しにやってくる。しかし、しばらくすると、また金を貸してほしいとやってくる。しかも、以前よりも高額だ。それでも、与兵衛は逡巡することなく、久七に金を貸す。そんなことが何度か続き、とうとう与兵衛は久七に百両という大金を貸してしまう。与兵衛は「また、すぐに返してくれるだろう」と思っていたのだが、これがなかなか返しにやってこない。気が付けば師走、大晦日。新年の準備に、慌ただしくごった返した店の中。そこへ、久七が百両を返しにやってくる。出かける用事があった与兵衛は百両を確認し、挨拶もそこそこに出かけてしまう。店の者も久七を相手にする余裕はない。気が付くと、部屋の中には久七と、久七が持参した百両だけが……。金に目がくらんだ男と運命に踊らされた男が交錯する様子を描いた『帯久』は、とにかく重苦しい演目だ。笑いどころも少なく、その悲痛な展開に目を背けたくなる。……この重さにはどうしても慣れない。ところで、師匠の『帯久』はCDで聴いたことがあったのだが、ところどころに変化が見られ、非常に興味深かった。主に、店の人間に百両の所在を確認するくだりと、ある場所から叩き出された与兵衛があることをするまでの風景描写。残酷さを緩和するために、細かい人間らしい膨らみの部分を強調していたのではないか、と察する。

志の輔らくごのごらく(6)「朝日名人会」ライヴシリーズ66「帯久」志の輔らくごのごらく(6)「朝日名人会」ライヴシリーズ66「帯久」
(2010/12/15)
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21時過ぎ、終演。最後に小保方さんに関する話をしていた気がするが、細かくは覚えていないので割愛。言わずもがな、面白かった! 新作と古典のダブルスはバランスが良い。
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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