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『ロバート ベストコント作品集1998~2013』

ロバート ベストコント作品集1998~2013 [DVD]ロバート ベストコント作品集1998~2013 [DVD]
(2013/11/27)
ロバート(山本博・秋山竜次・馬場裕之)

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2013年に結成15周年を迎えたお笑いトリオ・ロバートが、これまでに作って来た名作コントの数々を収録したベスト盤。同年9月14日に開催された『ロバート結成15周年総決算! 一夜限りのベストコントLIVE!!』の映像に過去の単独ライブの映像をミックスした内容になっている。15周年という年月の重みは半端ではなく、その結果、本編の収録時間も187分ととんでもないことになっている。特典映像には、秋山の持ちネタである“体モノマネ”の後継者を探すために開催した『二代目 体モノマネ師オーディション』の模様を収録。ダイノジ大地、アームストロング安村、マテンロウ・アントニーなどが参加している。……アームストロングは当時、まだ解散していなかったんだよなあ……。

一本目のコントは『転校生』(1998年制作)。東京から転校してきた山本の前で、ユニークな秋山先生と先生に気に入られている生徒の馬場がボケまくるコントだ。山本に二人が校歌を教えるくだりが、なんとも懐かしい。『爆笑オンエアバトル』に一度だけロバートが参戦したことがあったのだが、そこで彼らが披露していたコントが、この『転校生』だった。当時のデータを確認したところ、ロバートが『爆笑オンエアバトル』に『転校生』でオンエアされたのは、2003年9月のことだったらしい。この頃、彼らはまだ結成5年目……という事実を知って、今少し驚いている。当時のロバートは既に『はねるのトびら』へレギュラーとして出演していたために、どことなく別格の雰囲気が漂っていたからだ。そのため、番組に出場することが発表された時には、「あのロバートが『オンバト』に!?」と話題になったものである。

その後も懐かしいコントが目白押し。曲名と歌手名は分からないけれどメロディは分かる曲を口ずさんでCDショップの店長に当ててもらおうとする『HIROSHI RECORD』(2003年制作)は、ロバートの代表作というイメージが強いコントだ。洋楽だと言い張っているのに、時たま飛び出す「確かに~♪」のフレーズがたまらなく面白い。本作のバージョンはちょっと秋山のキャラクター描写が過ぎる気もするが……。福井県限定で流れている地方CMの曲を専門に取り扱っているソングライターのレコーディング風景を描いた『地方CMソングライター』(2005年制作)は、地方CMのビミョーさと味わいを的確に表現した名作。個人的には、やたらと近い距離感も好きだ。静かに「最ッ高の弟……」とつぶやくくだりが、もうたまらない。「メチャクチャ幸せな兄弟だな!」という山本のツッコミもステキだ。

『キングオブコント2008』決勝のステージで披露された『トゥトゥトゥサークル』(2006年制作)は、「トゥトゥトゥ」のリズムに合わせた会話を楽しむサークルの活動を紹介するコント。自分たちが作ったルールを自分たちだけで楽しむスタイルは、なんとなく芸人の楽屋でのお遊びを思わせる。『キングオブコント2011』決勝一回戦のステージで披露された『戦国の里 忍者ショー』(2011年制作)は、忍者ショー一筋で活動している還暦役者の楽屋と出番の様子を描いたコント。全体の流れは『地方CMソングライター』に似ているんだけれど、見せ方はより独創的で、それでいてリアルに進化している。楽屋と舞台の切り替わりぶりは、何度観ても笑ってしまう。同大会決勝二回戦のステージで披露された『工場』のモチーフとなっている『シゲとおさださん』(2006年制作)は、近隣のビニールハウスに住むホームレスのいざこざを描いているコント。ただただ疲れ切っているおさださんに対して、とにかくおしゃべりをしたくてたまらないシゲのやりとりは、デフォルメされているけれども妙に生々しい。こういう人として欠落している部分が重点的に描かれているので、ホームレスという設定が絶妙に活かされる。……まったく関係無いけれど、ホームレスのコントって、今のテレビでも放送できるんだろうか。線引きがよく分からないが。

個人的に印象に残っているのは、『三回忌』と『それいけ!竜海運先生』。

『三回忌』(2002年制作)は、山本の親戚のおばちゃんのお父さんの三回忌の様子を描いたコントだ。親戚のおばちゃんを秋山が演じ、その息子の小学生を馬場が演じている。まず、“親戚のおばちゃんのお父さんの三回忌”という微妙な設定がいい。親族が一堂に介している場の、身内の集まりの筈なのに、ほのかに漂う他人事の空気がたまらない。山本が高校生という設定も、また絶妙だ。子どものうちは、親族の集まりになんて、なかなか上手く馴染めないものである。……私は未だに馴染めてないけどな! そういう状況で妙に張り切っているおばちゃんが、またリアルでいい。しかし、このおばちゃんが、息子と一緒に墓の前で天国のお父さんに語りかけるくだりから、少しずつ暴走し始める……この流れがとにかく素晴らしい。秋山の肉厚的な存在感と馬場のイノセント性が上手く絡み合った、珠玉の一本である。

『それいけ!竜海運先生』(2013年制作)は、町おこしイベントに呼んだ謎の書道家・竜海運先生の正体がリハーサル中に発覚し、本番をどうしたもんかと思案するコントだ。町おこしイベントのスタッフを山本、竜海運先生を秋山、竜海運先生の弟子のキョウコを馬場が演じている。このコントは、他のロバートのコントと少し趣が違う。基本、ロバートのコントは、秋山と馬場が日常的に交わしているコミュニケーションの様子を、門外漢である山本が常識人の視点からツッコミを入れるスタイルを取っている。しかし、この『それいけ!竜海運先生』では、メインである竜海運先生自身も思わぬ事態に直面する側(つまり山本と同じ常識人の側)として登場している。そのため、他のコントに見られるような自然な狂気が、このコントでは希薄だ。しかし、だからこそ『それいけ!竜海運先生』では、山本が門外漢になっていない。二対一の構図じゃない、ちゃんと三人がコントの中でぶつかり合っている。勿論、普段のコントで山本が阻害されているとは思わない。秋山と馬場によって生み出される不可思議な世界を平常な立場から見ている山本の存在は、ロバートのコントに絶対に必要だ。それでも、三人がしっかり絡み合っている『それいけ!竜海運先生』を観ていると、なんとも感慨深い気持ちになるのは私だけだろうか。

ロバートのコントといえば、秋山の強烈なキャラクターとクセも強いニュアンスのフレーズが醸し出す不可思議な世界というイメージが私にはあった。それは、とても不定形で、掴みどころがなく、感覚にジュワリと染み込んでくる笑いだと認識していた。しかし、こうして一気にその数々の代表作を観ていくと、そこにはちゃんと日常的な描写があり、リアリティがあることがよく分かった。本作を鑑賞後、実は秋山は友近と志向が似ているのではないかと思ったのだが、どうだろう。意外とベストコントLIVEからの映像が多い(『トゥトゥトゥサークル』が昔のライブ映像じゃなかったのは少し驚いた)ので、過去の単独ライブDVDを持っている人にもオススメできるぞ。

“15周年の集大成”は伊達じゃない。ベストの名に相応しい逸品でした。ごっそさん。


■本編【187分】
「転校生」「HIROSHI RECORD」「地方CMソングライター」「三回忌」「プロフェッショナル」「結婚式~SUPERラブストーリー~」「終電逃したときに始発まで暇つぶしに付き合ってくれるプロ」「人間ドッグ」「シゲとおさださん」「トゥトゥトゥサークル」「戦国の里 忍者ショー」「ギタリスト博~Take it easy~」「みまりちゃん」「それいけ!竜海運先生」「劇団麦わらぼうし」「コスプレ」「~節~」

■特典映像【47分】
「二代目 体モノマネ師オーディション(特別審査員:梅宮辰夫)」
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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

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https://twitter.com/Sugaya03

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