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『カオスノート』(吾妻ひでお)

カオスノートカオスノート
(2014/09/07)
吾妻ひでお

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○月×日。ネットカフェに行く。初めてのお店だったので、会員証を作らなくてはならない。「身分を証明できるものはお持ちですか?」と問われたので、首の後ろの製造番号を見せる。無料のドリンクバーがあったので、コーラとスプライトとカルピスを混ぜたドリンクを精錬すると、熱を帯びた純金になって紙コップを燃やし尽くした。ボックス席に収まると、まずパソコンの電源を入れて、機能性を確認する。ネット、ゲーム、動画、その他もろもろ。少し古いパソコンらしく、ソフトを起動させるたびに重機の軋む音が聞こえた。Twitterにアクセスすると、つぶやきがモニターからこぼれ出して、他のボックス席にまで溢れ出したので、店員に注意された。私が悪いのか? 電話でメイドさんを呼べるサービスがあったので、頼んでみる。「お帰りーっ、ご主人」。美人なのにぞんざいな口ぶりが好ましかったが、私の読んでいるマンガのオチをバラするので、とっとと追い出した。「またなーっ、ご主人」。

吾妻ひでおの新刊『カオスノート』があったので、読んでみる。吾妻ひでおといえば『失踪日記』に代表されるエッセイ漫画で再評価された漫画家だが、本作で描かれているものは氏の思い出などではなく、文字通りカオスの連続だ。基本的に前後の流れに脈絡はなく、ただただ、吾妻の思いつきとでもいうような思考が漏洩しているように吐き出されている。火星人の乾物を売ったかと思えばカップ妖精を買い、奥歯の穴から都市ガスが漏れ、台所の余り物から経験したことのない思い出が蘇る。意味が分からない。でも、この意味の分からなさ、ストーリーも連続性もない無意味、これこそカオス(混沌)なのである。そして、この意味のなさに、意味を求める世界に生きる我々は安心感を覚える。意味がない。いいじゃないか。どうせ人間、生きていることにそもそも意味がないのだ。

ネットカフェを出ると、夜だった。帰り道、途中でコンビニに立ち寄ると、店員が隔世遺伝の真っ最中だった。そのため、レジに長蛇の列が出来ていたので、最後尾に回ると、地球を一周してレジ側に回ってしまったので、とりあえず私がレジを打つことにした。最後に私が来た。店員の隔世遺伝が終わった。そうか、私か。私だったのか。
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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