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『佐久間一行SHOW2013 GOLD10~ゴールデン~』

佐久間一行SHOW2013 GOLD10~ゴールデン~ [DVD]佐久間一行SHOW2013 GOLD10~ゴールデン~ [DVD]
(2013/12/25)
佐久間一行

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『佐久間一行SHOW2013 GOLD10~ゴールデン~』を観る。

佐久間一行はよしもと・クリエイティブ・エージェンシーに所属しているピン芸人だ。NSC東京校の2期生にあたり、同期にはガリットチュウ、くまだまさし、増谷キートンなどがいる。お笑い芸人の登龍門『爆笑オンエアバトル』には2000年より参戦。ピン芸人ばかりを集めた特別回で初出場初オンエアを決めた(ちなみに、この時のトップオンエアは鉄拳)。06年度には合計キロバトル数で年間ランキング1位に君臨。これはピン芸人としては唯一無二の記録である。しかし、肝心のチャンピオン大会では振るわず、セミファイナルでの敗退となった。その後、番組には09年まで出場し続ける。

日本一のひとり芸を決める『R-1ぐらんぷり』には、第一回大会が開催された02年より参戦。予選での評価が安定せず、数年に渡って2回戦敗退と準決勝敗退を繰り返していたが、『R-1ぐらんぷり2011』で初めて決勝戦へとコマを進める。そこで披露した『井戸』のコントが高い評価を受け、勢いそのままに優勝を果たした。同年、デビュー15周年を記念して、全国九都市を巡る単独ライブツアーを敢行。老若男女に愛されるピン芸人として、今現在も猛進中だ。

本作には、2013年に全国ツアーを展開した単独ライブより、ルミネtheよしもとでの公演の模様が収められている。『GOLD10(ゴールデン)』というライブタイトルは、ルミネでの単独ライブを開始して10年目・10回目の記念すべき公演であるところに由来しているとのこと。ちなみに、ルミネで単独ライブを10年連続で開催している芸人は、よしもとでは佐久間だけらしい。質良し、量良し、まさに向かうところ敵無しといったところか。

茨城訛りでユルやかな印象を与える佐久間だが、そのネタのクオリティはかなり高い。賞金首を追っている旅人に扮した佐久間がならず者の盗賊団と熾烈な(?)戦いを繰り広げる『テキサスの旅』では、笑い飯の“ダブルボケダブルツッコミ”ならぬ“一人ボケ一人ツッコミ”による激しい応酬を展開。その全てを一人で演じているのに観客に白ける余地を与えない演出とスピード感が見どころだ。佐久間が怪盗となって「必要な時に限ってないモノ」を次から次へと盗み出す『怪盗ヒット』は、「必要な時に限ってないモノ」あるあるをきっかけに繰り広げられるマシンガン解説が魅力の一本。折り畳み傘、ポケットティッシュ、説明書などの「必要な時に限ってないモノ」に、思わぬ角度から切り込んでいる。海を見張っている佐久間が退屈しのぎに村の人たちの暮らしを望遠鏡で覗き見する『みはり』は、村の景色をイラストで表現した自由度の高いコント。何気ない日常が静かに壊れていく様子を、見張りという第三者的な立場から覗き見るというホラー色の強い……ということはないのだが。村で起きていることに何も出来ずに慌てふためく佐久間という構図が、ちょっと不穏な印象を残した。

それらのネタの中でも、特に印象に残っているのは『大人の階段』というコント。

『大人の階段』の舞台は元気な少年たちが集まるひみつきち。いつもの様に「だるまさんがころんだ」で遊んだり、バッタを捕まえたり、下らないギャグを言ったりして大盛り上がり……する筈だったのだが、彼らの一人一人が唐突に大人の階段を上り始めてしまい、最終的には全員がひみつきちを去ってしまう。そうして誰もいなくなってしまったところに、遅れてやってきた少年たちの隊長(佐久間)。仲間たちが残した手紙を読んで状況を察した隊長は、彼らに追いつこうと慌て始める。

「取り残された! 俺も早く大人にならなければ!」


そこで隊長は、これまで楽しくやっていた普段の遊びに疑問を感じることで、子どもから大人へ変わろうとする。最初に思いついたのは「だるまさんがころんだ」。こんな遊びなんて面白くない、これでオレも今日から大人だ! ……と高らかに宣言するも、その意志はあっさりと崩れてしまう。

「ダメだーっ! 正直楽しすぎるよーっ! 「だ・る・ま・さ・ん・が・こ・ろ・ん・だ」「(高速で)だるまさんがころんだ!」」あの抑揚! 楽しすぎるよーっ!」


子どもの遊びが楽しくて仕方がない。でも、先を行く仲間たちに追いついて、急いで大人になりたい。そんな隊長の葛藤は、かつて自分が思春期に、或いは、19歳の時に20歳になろうとしている時に感じた、子どもから大人になってしまうことへの期待と不安のそれにも似ている気がして、なんだかとても心が揺さぶられた。それを置いても、アラフォーといわれる年齢になっても(1977年生まれの37歳!)ザリガニ大好きというさっくんが、こういう子どもから大人へと変わっていく少年たちの姿を描いたコントを演じているということが、ただただ切ない。

これらの素晴らしいネタの数々を楽しめる本作だが、一点だけ不満がある。それは本編の収録時間が短いということ。よしもとのDVDといえば、むやみやたらに収録時間を引き延ばす傾向があることで知られているが(2時間3時間は当たり前に超えてくる)、この作品の本編は54分。これは短い。あまりにも短い。ライブのオープニングで繰り広げられる小芝居や幕間映像などを収めた特典映像が44分あるけれど、ただただコントが観たい私としては、これでは満足できないのである。というわけで、これから購入を考えている人は(もう1年近く前の作品だけど、いるのかな?)、歌ネタを収録したDVDが付いている限定盤の方をお薦めしたい。ていうか、私はそっちを買わなかったことを、ちょっと後悔している。誰が買ってくれないもんだろうか。いないか。うーん。


■本編【54分】
「オープニング」「テキサスの旅」「怪盗ヒット」「エライ人」「大人の階段」「目覚め」「みはり」「空をみよう」「ヒグラシ」「コレクション~エンディング~」

■特典映像【44分】
「オープニング小芝居」「はまる君」「コレクション完全版」「きょーいち」「GOLD10コメント」
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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
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https://twitter.com/Sugaya03

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