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所ジョージの絶えることなき“反常識”精神

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所ジョージが自主レーベルから700円のオリジナルアルバムをリリースしたという話を聞いたときは、何かの悪ふざけだろうと思った。既に知られていることだが、所ジョージは色々な遊びを発明するタレントである。この700円アルバムもまた、その遊びの一環に過ぎないのだろう……と、最初は思っていた。ところが、このアルバムのコンセプトが「配信なんてクソくらえ! みんなCD買いましょう」だと知って、考えを改めた。“CDリリースと同時にハイレゾ音源の配信もスタートする”というジョークで誤魔化されているが、この件に関して、所は本気である。

思い返してみれば、ミュージシャンとしての所ジョージは、いつだって本気だった。そもそも彼の本質はフォークシンガーである。吉田拓郎を敬愛し、井上陽水とギターを交換し、泉谷しげるとともに毒をまき散らし、“フォークソングの宣教師”坂崎幸之助(THE ALFEE)と朋友関係にある所の根っこには、常識への疑念と反抗心がある。そこにユーモア精神が絡まっているために、ややこしくなってしまっているのだが。

その精神は、新作のアルバムでも大いに発揮されている。自らを棚に上げている人たちの姿を切り取った『全員棚の上』、ゴールまでのプロセスをきちんと考えない人たちを皮肉った『コントロール』、政治に対してド直球に批判をかました反骨ソング『オスプレイは飛んでゆく』など、気持ちいいほどに苦言が吐き出されている。世間の「別にいいじゃん」に「ンなこたぁないヨ」とはっきり言える所こそ、自立した人間と言えるのかもしれない。その一方で、お馴染みの日常的な風景を描いた楽曲も多く、『百目柿だらけ(サトウキビ畑より)』『センチメートル・ミリ』『ドーナツで生きかえる』などは、所の普段の生活を眺めているような気持ちになる。

それらの中でも『私は神様を知っている』という楽曲は、所のお気に入りらしい。なにせ、2枚のアルバムの中に、何故か3バージョンも収録されている。一度レコーディングしちゃった音源を捨てるのが勿体無かっただけなのかもしれないが。先の楽曲に比べて、所の「面倒臭いことをちゃんとやる」精神の立場を強調しているように感じる。


個人的には『夏をあらためて』が悲惨で素晴らしい。情景描写がとてつもなく細かいのが、また笑える。これも夏だからといってドラマチックに描かないことで、既存のJ-POPに対して反抗しているともいえるのでは……って、流石にこじつけだな、これは。ただ、RHYMESTERの『フラッシュバック、夏。』に似た感覚を覚える。


ちなみにこのアルバム、700円という値段の安さから内容に不安を覚えていたのだが(編曲やら音質やらの点で)、かなりちゃんとしたアルバムである。バンドアレンジ重視で、バップ時代の井上鑑による重厚なアレンジに魅了された身としては少し寂しいが、本当にちゃんとしている。歌詞カードを別売りにしているとはいえ、700円でこのクオリティを出しちゃって大丈夫なのか、本当に(なお歌詞カードは600円である)。
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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loxonin1000mg@yahoo.co.jp

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