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私はお正月と心中したい。

お正月は息苦しい。毎年、いつもと同じことをやって、いつもと同じように過ごすという、お馴染みの行程を踏まなくてはならないからだ。例えば、これが夏休みだった場合、選択肢は無限に広がっている。海に行こうと、山に行こうと、東京や大阪に行こうと、近所の図書館で見聞を広めようと、何をしても構わない。自由だ。しかし、こと正月となると、いつも通りの過ごし方しか出来ないようになってしまう。何処へ行くにも人が溢れているし、休業中のお店も少なくないし。否、革命は不可能ではない。今年の正月は思い切って、ハワイ旅行にでも繰り出そう……と発案することだって出来る筈だ。だが、出来ない。少なくとも私には出来ない。私の中には年月とともに積み重ねられてきた経験により、確固たる理想としてのお正月があるからだ。そこを抜け出した途端、それは「いつもと違うお正月」にしかならない。極端な話、精神の隅々までお正月に浸食されてしまっているのである。

その結果、今年もお正月を演芸関連の特別番組を鑑賞することに費やし、惰眠と蜜柑と御節を貪り、人工的な温もりを生み出す暖房器具に取り囲まれた日々を過ごしてしまった。ああ、そうだ。これはこれで幸せだ。だが、この幸せはあまりにも短くて儚い。一瞬の煌めきに過ぎない。そして、その肥大した幸せは、終焉とともに絶望によって隠されてしまう。あとは後悔するしかない。あの日、あの時、あの瞬間、他にもっと為すべきことがあったのではないか、と。社会人にとって本当に貴重な連休を、お正月という惚けた行事に現を抜かして過ごすことはなかったのではないか、と。ああ、そんなことは分かっていた筈なのに、どうしてもお正月の息苦しさから抜け出せない。呼吸出来ない快感をマゾヒストの様に愉しんでいるのではあるまいか。

そういう気分で、この健やかで惨めなお正月の愚鈍を懐かしがりながら、これからの一年を噛み締めていく所存である。ああ、出来ることならば、何もせずに布団に潜って、そのまま死ぬまで寝ていたい。いやいや、それはもう、本当に死んでしまうぞ。しっかりしなくては。いや、いやいや、しかしながら、この息苦しさから、未だになかなか抜け出せない。火照った頭を冷気で覚ませ、身体の筋よ伸びるところまで伸びよ、神経の各々方、今日から仕事始めですぞーっ。



とはいえ、まだまだまだまだまだまだまだまだ眠りたくない……。
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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loxonin1000mg@yahoo.co.jp

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https://twitter.com/Sugaya03

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