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『今日を歩く』(いがらしみきお)

今日を歩く (IKKI COMIX)今日を歩く (IKKI COMIX)
(2015/03/13)
いがらし みきお

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本屋に行くと、いがらしみきおの新刊が平積みされている。別の本を買う予定だったのだが、お金を少し多めに持ち歩いていたので、躊躇無く購入を決意した。子どもの頃は、お小遣いが限られていたこともあって、本を買うときにはかなり考え込んだものだが……大人になって、懐にも余裕が出てきて、気が付けば購入のハードルが随分下がってしまったものだ。それ自体は喜ばしいことの筈なのに、不思議と物そのものの魅力が薄れていくように感じてしまうのは、どうしてなのだろう。結果、三冊の漫画本を買ったのだが、値段が2,000円近くもかかったことに、少し驚いてしまった。私の感覚では1,500円くらいだろうと思っていたのだが……消費税が上がったというニュースを目にして結構な時間が経っているが、この変化に対して、未だに私の意識は追い付けていないようだ。

いがらしみきおといえば、『ぼのぼの』『忍ペンまん丸』など、可愛らしい動物をモチーフとした作品で知られているが、本作は“散歩”という、とてつもなく渋いテーマを扱った作品となっている。いがらし氏が自宅の近辺を散歩しているときに目についたもの、人、体験した出来事などを漫画に描いている。要するにエッセイコミックなわけだが、その作品が不条理マンガ・哲学マンガと称されることも少なくないいがらし氏の目を通して描かれているため、その着眼はなかなかに独特だ。道端に落ちているトランプの8に気を取られたり、いつも不機嫌そうな顔をした女子中学生が異性と会話している姿を見かけてその内容を想像したり、しつけの行き届いた犬とバカ犬を一緒に散歩している女性が自宅でどのように過ごしているのか妄想したり、いちいち視点(と思考)がオモシロイ。個人的には、第四話に登場する“テクルさん”の話が非常に面白かった。たまに、「趣味が人間観察だ」とのうのうと言ってのける人がいるが、ここまで掘り下げてこそ人間観察であろう。

鈍感な人間であれば、何も考えずに見過ごしてしまうだろう様々な事物を、自身の興味本位だけで記憶に留め、作品へと昇華する。そんな自然な流れが容易に想像できる肩肘張らない内容に、「やはり神の啓示を受けた人間は違うな」と感心する凡な私なのであった(※いがらし氏は幼い頃に「漫画家になる」と神の啓示を受けたらしい。ホンマかいな)。
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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