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『人間交差点』を歩む紳士はあくまでもストレート



「ストレートなんて格好悪い」と若い頃は思っていた。否、はっきりと認識していたわけではないが、でも無意識のうちにそう感じていたのは確かだ。「がんばれ!」と言われれば「余計なお世話だ」、「負けるな!」と言われれば「勝ち負けじゃないし」、「一生懸命!」と言われれば「かくして世間に過労死が蔓延するのだね」と思っていた。

でも、これはなにも、私の青臭い感性ばかりに原因があったわけではない。世間に蔓延るストレートなメッセージから、現実味を感じられなかったからだ。「がんばれ!」「負けるな!」「一生懸命!」という言葉を出しておけば納得するだろうと一方的に思われているかのような、応援としての体裁だけを保っているかのようなメッセージに、むしろ誰が現実味を感じることが出来るのだろう。本当にメッセージを届けたいという気持ちがあるのならば、こちらの心に響くように伝えてほしい。そうでなければ、それは送り手の傲慢だ。

そんなことを考えてしまう私だが、RHYMESTERのメッセージには、ついつい素直に耳を傾けてしまう。「風はまた吹く 気付かないならかざしな人差し指を」と歌った『ONCE AGAIN』、「どっちでもないこのEverydayこそ素晴らしい弾ける人生」と歌った『POP LIFE』、「選ぶのはキミだ キミだ 決めるのはキミだ キミだ」と歌った『The Choice Is Yours』……どのメッセージも陳腐なほどにストレートだが、彼らが歌っているとサマになる。もうちょっとチープな言い方をしてしまうと、格好良い。とはいえ、それは私がRHYMESTERのことを依怙贔屓しているからそう聞こえる、というわけではない。彼らはそのストレートなメッセージに対して、非常に丁寧に説得力を持たせている。要するに、相手に伝えることをしっかりと意識しているのである。だから、聴いている側はハンパな言葉で逃げられない。まんまと胸を掴まれ、メッセージがグサッと突き刺さる。

新曲の『人間交差点』もまた、恐ろしいほどストレートな名曲だった。


人と人との出会いと別れを交差点に見立てるというストレートな比喩の元に、「エキストラなどこの世には一人もいないんだ」とストレートなメッセージで心に訴えかけてくるMummy-Dの言葉と、「点と点が線と線になって交わるけれどぶつかんない それは神の御業? いや、人の仕業」と丁寧に人心の障壁を薄めていく宇多丸の言葉が絡み合っていく様が実に美しい。人と人との出会いの中で、お互いに無闇に衝突せずに、その出会いによって生じる反応を楽しもう。実に正しく、大人で、誠実なメッセージではないか!

ただ、そのメッセージを実践できるかというと、うーん……なかなか……。
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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
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https://twitter.com/Sugaya03

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