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所ジョージと「餌のない釣り針」



“ロックンロールをもっと面白くする本”というテーマを掲げている『SHAKE』は、ミュージシャンを中心に取り上げたムック本だ。巻頭特集の「甲本ヒロト 蓄音機とアナログ・レコードの現在地」をはじめとして、浅井健一×加藤ひさし、尾崎世界観、和田唱などのミュージシャンたちが、それぞれの趣味嗜好について語っている。

そんな顔ぶれの中に、何故か所ジョージがいる。

何故か、という表現は失礼にあたるのかもしれない。1977年にデビューして以来、所はシンガーソングライターとして(たまに休みながらも)活動し続けているからだ。とはいえ、世間の彼に対するイメージは今も昔もテレビタレントであって、先に挙げたようなゴリゴリのロックンローラーたちの中に紛れているのを見ると、どうしても違和感を覚えてしまう。無論、それがいけないというわけではない。むしろ、十年来のミュージシャンとしての所ファンとしては、とっても有り難い。どんどんやってほしい。

だが、どんどんやってもらうためには、もうちょっとミュージシャンとしての所ジョージが世間から注目を集めなくてはならない。世間から注目を集めるためには、そういった曲を書かなくてはならない。でも、所はそういった曲を書かない。「本当は歌謡界にも入りたいんですよ」と言っているにもかかわらず、売れる方向へとまったく寄せるつもりがない。何故か。寄せずに売れた方が面白いと思っているからだ。

「たいしたことないものなんだけど、すごく評価されないかな?」というところが面白いところでね。間違ってこっちに評価がこないかなっていう(笑)。「餌がついてないのに針だけで魚を釣りたい」みたいな感じ。「針だけでなんとかなんない? この針だけで疑似餌に思えない?」というのが面白いんです(笑)。


ミュージシャンとしてはまったく売れていない所がこういったことを口にすると、負け惜しみのように聞こえなくもない。だが、餌がついていなくても、針に対する姿勢が真剣だということは、近年の彼の行動を見れば明らかだ。レコード会社とやるのが面倒臭くなったという理由で自主レーベルを立ち上げ、700円(税抜)の超安価なフルアルバムをリリースし、「世田谷ベースで曲を作っているときが一番熱いから」とYouTubeで新曲を発表し続ける。


寄せない、媚びない、甘んじない姿勢は、世間が抱いているであろう所ジョージの「自然体」とはまったくかけ離れている。だが、この姿勢こそ、所が「自然体」であることの証明であるようにも見える。

そんな所が、6月にニューアルバム『JAM CRACKER MUSIC3』をリリースする予定だという。

自分への確認って言ったら大げさだけど、これをバーンと出しても、「いやいや、まだまだ在庫があるからね」っていうことを確認したかったんです。「頭のなかから(歌が)出てくるからね」っていうことですよね。もしも限界だったら、このCDにしがみつくけどね。でも「いやいや、こんなのは氷山の一角ですよ」という気持ちでいたいんですよ。


そして今日も、所は餌のない釣り針を世間に垂らし続ける。食われるか、食われないか、その反応を楽しみながら。
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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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