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『岡崎に捧ぐ』(山本さほ)



人付き合いが良いとはいえない私にも友人と呼べる人間が何人かいるのだが、彼らの多くは大学生時代に知り合った者である。同じサークルに所属していたり、同じような趣味を持っていたりしていた彼らとは、大学を卒業して数年が経過した今でも、ネットを通じて言葉を交わすことが少なくない。無論、小学生の頃から付き合いがある、いわゆる地元の友人もいないわけではないのだが、その多くとは高校卒業をきっかけに疎遠となってしまい、そのまま連絡を取らずにいる。逆にいえば、この“高校卒業”という高いハードルを飛び越えて、今でも交流を続けている小学生時代からの友人とは、非常に強い縁で結ばれているといえるのだろう。単なる腐れ縁なのかもしれないが。

山本さほのエッセイ漫画『岡崎に捧ぐ』は、小学生だった当時の筆者が岩手から横浜に引っ越してきて、ひょんなことから友人関係になった岡崎さんとの日々を描いた作品だ。育児放棄されている岡崎家ではゲームを何時間プレイしても怒られない、という決して健全とはいえない理由で始まった二人の繋がりは、しかし利害関係を超越した強固な友情に成っていく。岡崎さんは「私きっと、山本さんの人生の脇役として産まれてきたんだと思う」と言い、対する筆者は「自分の人生楽しみなよ…」と返す。一見すると、アンバランスで、歪な関係性。でも、それでも、二人にとっては、それで何も問題はなかったのだから、それでいいのだ。第15話、知らない街へと出かけて、夕焼けの中で将来のことを語り合う二人の関係の前に、ジャマするものは何もないのである。

あの何も考えずに毎日を過ごしていた時代を共有した友人に、連絡を取ってみようかと少し考えさせられた作品であった。まあ、取らないんだけれど。
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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