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『ツイ4』新人賞の応募作について感想を書いてみた。

『ツイ4』が炎上している。

『ツイ4』とは、星海社のウェブサイト“最前線”によって、Twitterで四コマ漫画を配信しているアカウントのことだ。現在も複数の作品が一日に一度のペースで配信され続けている。単行本化されている作品もあり、『女の友情と筋肉』(KANA)、『ノヒマンガ』(ボン)、『強くてカッコイイ女子は好きですか?』(川村一真)などの作品が好評を博しているらしい。個人的には『じょしよん』(なるあすく)がお気に入りだ。ベタなのに無秩序な世界観を女子高生で強引に包み込んでしまう、昨今の萌え傾向の最終地点の様な作品である。

炎上のきっかけとなったのは、『ツイ4』アカウント上で公開された新人賞の座談会である。ネット上で募集された各作品に対する編集者たちの毒舌コメントが、多くのTwitterユーザーたちの逆鱗に触れたのだ。正直、私個人としては「そこまで怒るような内容かしらん」と思ったのだが、まだまだ素人に毛も生えていないような新人に対するコメントとしては、あまり適切な内容ではなかったのかもしれない。

ところで、ちょっと気になったことがある。大半のTwitterユーザーたちのコメントは、座談会での感想に向けられたものだったのだが、肝心の応募された四コマ漫画に対するコメントがあまり見受けられなかったのである。毒舌に腹が立つ気持ちは分かるが、せっかく作品が見られる状態になっているのに、一般の読者である我々が感想を送らないというのも妙な話である。編集者が得意げにこき下ろしている作品の良いところを我々が拾い上げ、彼らの前に叩きつけようじゃないか! ……なんて、そこまでちゃんとした意志を抱いているわけではないが。

というわけで、応募作品を読んでいて、思ったことを書いてみた。
 
1.『口に出すと口が気持ちよくなる言葉(仮)』(内海まりお)

「口に出すと口が気持ちよくなる」というコンセプトは分からなくもないが、漫画という手法で表現する必要性をあまり感じない。せっかく耳ではなく目で楽しむエンターテインメントなんだから、言葉の面白さを目だけで認識できるように表現してもらいたいところ。あと、意味のある言葉を別の意味に置き換えて語呂良く楽しませるスタイルは、ラーメンズのコント『日本語学校アメリカン』との類似性を意識せざるを得ない。レキシのCDアルバムと合わせて、鑑賞することをオススメする。もうちょっと深いところを見せてほしい。


2.『あのねのネリネ』(ゆう。)

あるシチュエーションにまったく不似合な要素を盛り込むことは笑いの基本ではあるのだが、BARの店長が幼女という設定は、その意味ではまことに正しい。ただ、正しすぎる。はっきり言って、捻りが無さすぎで面白味に欠ける。その設定を強調するように赤ちゃん言葉が多用されているが、それでパッと読むことが困難になっていて、作品世界からどんどん興味が薄れてしまう。全ての四コマを通じて一つのストーリーを形成する構成なので、一度こういう状態になってしまうと取り返しがつかないところが辛いところ。ストーリー展開もありがちで、悪い意味でオーソドックスに収まってしまっているといえるだろう。例えば、自分の趣味や得意分野などをディープに踏み込んだ、パンチのある設定を最初に上手く引き出すことが出来れば、まだカタチになるかもしれない。ところで、本作に対する座談会の感想は非常に的を射ていると思うんだけど、私たちはバーに詳しいですよ的なくだりは正直しゃらくせえですね。


3.『エスパー砂藤』(ただのけい)

友達がエスパー。正直、最初の四コマのコマ割りが良くなかった(三コマ目と四コマ目を分ける意図が分からない)ので、あまり良い印象を持たずに読み始めたのだが、なかなか面白かった。ありがちなエスパーネタと、エスパーである友人がちょっと変な感性の持ち主ネタのバランスが絶妙で、六本目以降はニヤニヤしながら読ませてもらった。まあ、今風のノリに飲まれているだけなのかもしれないが。ちょっとクセのある画風も将来性を感じさせるので、しばらくこの方向で進んでもらいたいところ。ただ、ありがちなエスパーネタを使い切っている感があり、早々にネタ切れしそうな予感も少し。


4.『宇宙飛ぶ公務員』(さぶえ)

宇宙に送られる公務員。とにかく読み辛い。ネーム状態で投稿されているというのもあるけれど、小学生がノートに描いている漫画の様な、自己世界を他人に見せるための工夫を凝らすことなくそのまま外に出してしまった感じ。でも設定は面白い。宇宙へ五人のイケメン公務員が派遣されるというのは、ちょっと新鮮味があった。イケメン五人がメインというのも、やや読者層が男性に偏っている印象のある今の『ツイ4』にはない組み合わせなので、なかなか悪くない。SFに対する素養と客観性が加われば、面白いことになりそうな気がする。


5.平和ずきんの狼(鋼えお)

有名な童話『赤ずきんちゃん』のパロディなのだが、狼がお金持ちのダンディだったり、魔法を使いこなせたり、ロリコンだったり、赤ずきんちゃんは銃器を取り扱っていたりと、もはやパロディである必要性が無いのではないかという気がしないでもない。純粋にモチーフにした異世界モノってことで。狼のロリコン紳士ぶりと赤ずきんの食への貪欲ぶりが笑いどころとなっていて、キャラにハマれば刺さりそう。で、個人的にも、関西弁の赤ずきんにはちょっとくるものがあった。とはいえ、座談会の「文章が多過ぎ」「テンポ感ない」という指摘も分かる。推敲を重ねれば更に良くなりそう。


……書き終えてから思ったのだが、これはこれで偉そうな気がしないでもない。
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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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