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『死ぬ前に1回やっとこう』(小山健)



ひきこもりがちな漫画家・小山健が、これまでに一度も体験してこなかった様々なことを「死ぬ前に1回やっとこう」の勢いで実行してしまうレポート漫画。ネット上に公開されていた漫画をまとめた単行本で、幾つかの漫画は以前に読んだことのあるものだったけれど、内容にはけっこう満足した。一つ一つの漫画にコラムがついているのが地味に嬉しい。このコラムが、また小山氏ならではの味わいというか、そのしりあがり寿を思わせる粗い画風に似たようなユルさを漂わせていて、とても面白かった。

肝心のテーマは、大きく二つのパターンに分けられる。「バーに行っとこう」「ナンパをしとこう」「キャバクラに行っとこう」などの、気持ちの問題さえどうにかなれば簡単にハードルを超えられそうなものと、「サバゲーをやっとこう」「女装しとこう」「リアルファイトをしとこう」などの、ちょっとした手続きが必要なだけちょっとだけハードルが高くなっているもの。どっちのパターンも面白かったけれど、後者は平凡な日常風景からかけ離れた世界を覗き見している楽しさも加味されていて、その分だけ、前者の方が小山氏の特色がより強く表れていたように感じられた。個人的に印象に残っているのは「ナンパをしとこう」。ナンパをすることになってから結果が出るまでの流れにムダがない。インパクトの点では「女装しとこう」も凄かった(コラムで書かれている裏の話も凄かった)。

でも、本当に印象に残っているのは、「バーに行っとこう」「サバゲーをやっとこう」の序盤部分に描かれている、小山氏が「死ぬ前に1回やっとこう」と思うまでの流れだった。「本物のこの世界にうまれて、ニセ物しか知らずに死んでいくのか」というモノローグの重いこと重いこと。だけど、それは真実だ。私たちは本物の世界に生きているのに、その多くについて触れることなく死んでいく。それでいいのか? バカボンのパパならば「それでいいのだ!」というだろうけど、でも、本当にそれでいいのか? 「それでいいのだ!」って、自信をもって言えそうにないよ。

だから、みんな「死ぬ前に1回やっとこう」!
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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