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『磁石単独ライブ「磁石漫才フェスティバル 特別追加公演」』(2014年12月17日)



年間最強漫才師を決定する『THE MANZAI』において二度の決勝進出(当時)を果たしている漫才師、磁石が2014年7月に開催した漫才ライブの模様を収録。磁石の単独ライブは年に一度のペースで開催されているが、漫才のみのライブに限定すると、2010年7月に行われた『磁石漫才ライブ ワールドツアー日本最終公演』以来となる。その事実に、『THE MANZAI 2013』で決勝戦の舞台に上がれなかった悔しさを感じてしまうのは、きっと私だけではないだろう。前回では90分間ノンストップ漫才を繰り広げていた彼らだが、今回は100分近い公演時間の中で長めの漫才を二本に分けて演じている。恐らく、観客の疲労を考えた上での配慮だろう。どんなに面白いネタであっても、観客が疲れてしまったら笑いは起こらない。

本編を再生してみると、和やかな雰囲気に包まれた二人の姿が。ちょっと意外だ。磁石といえば、永沢のボケと佐々木のツッコミが見事に絡み合う正確無比な漫才を演じているイメージが強かったからだ。事実、前回の漫才ライブでは、90分間という長尺漫才を演じていたにも関わらず、彼らはまったく呼吸を乱すことなく、最初から最後までいつもの磁石のトーンを貫いていた。それはまるで、漫才を演じるようにセッティングされたロボットのように。だが、今回は違う。まるで雑談をしているかのように始まり、そのだらりとした空気のまま、漫才が進行していく。漫才と漫才を繋ぐやりとりも粗い。だが、その粗さが、逆にバカバカしくて面白い。ネタバレになってしまうが、佐々木が永沢に「何かやりたがってくださいよ」と提案するくだりは、あまりの雑なフリに笑ってしまった。

恐らく、今回のライブにおいて、磁石はそれまでの漫才では見せられなかった余白を作り出そうとしたのではないだろうか。当時、彼らが出場していた『THE MANZAI』という大会は、漫才師自身のキャラクターが如何にネタへと反映されていたかが着目されていたように思う。だからこそ、ハマカーンは神田の女性的な側面を見出した漫才で、ウーマンラッシュアワーは村本の下衆で卑劣な側面を表出した漫才で、それぞれ優勝を果たしたのだ。そこで磁石も、あえて漫才に余白部分を設けることで、そこに彼ら自身の人間的な部分を見出そうと試みたのではないか。……というのは、ひょっとしたら考え過ぎなのかもしれない。

ちなみに、漫才の空気が和やかでも、肝心の内容は相変わらず引き締まっていたので安心していただきたい。意識や言葉の裏をかいた永沢のボケと、そのボケにベストな回答でズバッと切り返す佐々木のツッコミが繰り広げられている。とりわけ永沢の言葉を駆使したナンセンスボケはいつも以上に冴えていて、「クリ松さん」「お予っ算」「急ガッパー回れ」など、まったく意味のないワードチョイスでこちらのツボをグイグイと押しまくっている。構成にも練り込みが見られ、後半でのさりげない大団円的演出には、ちょっと魅入られてしまった。基本、漫才ライブでこういう演出を取ることに、私はどちらかというと否定的なのだが……それだけ内容が充実していたということだろう。

このライブから数か月後の2014年12月14日、磁石の二人は『THE MANZAI 2014』決勝のステージに立っていた。予選サーキットを4位で通過、今年こそは最終決戦へと駒を進めることが出来るのではないかと思われたが、またしても予選敗退という苦汁を舐めさせられてしまった。この日、彼らが演じた漫才は『ラジオ』。本作でも演じられているネタだったが……。現在、『THE MANZAI 2015』の開催情報は、8月半ばとなった今でも告知されていない。噂では『M-1グランプリ2015』開催に伴い、賞レースとしての形式を崩し、これまでとはまったく異なった演芸番組になるという。そのステージに、磁石の二人は立っているのだろうか。実力派若手漫才師と言われ続けて早15年、彼らがゴールデンタイムの光を浴びせられるようになるのは、果たしていつの日か……。

なお、特典映像には、磁石の二人がパンツ一枚だけを着用した状態になってとあるミッションに挑戦する『パンイチグランプリ』が収録されている。結成15年目を迎えた漫才師がやる企画じゃない! ……が、そのらしからぬ姿には、笑わせられた。こういうことをバラエティ番組の企画でやらされている二人が、いつか見たいなあ。


■本編【102分】
漫才+幕間映像「ハイテンション大食い」+漫才

■特典映像【16分】
「パンイチグランプリ」
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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