スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『ENGEIグランドスラム』(第3回・2015年9月27日)

【2】ますだおかだ『高齢化社会(略語、ゲーセン、葬式用語を変えていく)』
キャイ~ン『環境問題・宇宙旅行』
【2】ロバート『書道家 竜海雲』
【2】ナイツ『好きなアイドル』
【2】COWCOW『アイアンメイシン』
【2】流れ星『ちゅうえいの出自・ヤンキー同士の友達のなりかた』
麒麟『出産の立ち合い・お米顔・はじめてのおつかい』
【2】バカリズム『知恵と戦略』
【2】テツandトモ『なんでだろう(岡村隆史とコラボ)』
【2】フットボールアワー『温泉旅行(カレーチャーハン)』
【2】チュートリアル『南の島のメイ』
アンジャッシュ『彼氏と高齢の彼氏が鉢合わせ』
【2】トレンディエンジェル『ダイエットしたい(ボクササイズ・サイザップ)』
インパルス『かくしごと』
スピードワゴン『井戸田潤が話す良い話を修正する(稲川淳二)』
レイザーラモン『格闘技とプロレスの違い・プロレスのデート』
【2】どぶろっく『君への思いを歌に(二人で)』
【皆勤】東京03『そういう人』
ハライチ『必殺技』
ロザン『外国人を道案内・外国人と回転寿司』
【2】千鳥『大悟の友達(1万円泥棒・屁・庭の松の木)』
【2】日本エレキテル連合『黄金夫婦』
【皆勤】爆笑問題『時事漫才(堀北真希の結婚・鮫・安保法案可決)』
今くるよ 中川家『今いくよ・くるよ・くるよ』


『ENGEIグランドスラム』の第3回放送を観終わった。以前よりも既存のネタ番組としての趣が強くなっていて、些かスペシャル感が薄れてしまった気もするが、とはいえ安心して楽しめた。勿論、演者たちの実力によるところが大きいのだが、青を基調とした落ち着きのある舞台美術に演者と程々の距離感を保ったナインティナインのMC、そして親しみやすいコメントを残してくれる松岡茉優のアシストも忘れてはならない。回転寿司を思わせる仕掛けによってファーストフード的に芸人を消費させられる『爆笑レッドカーペット』を制作していたフジテレビが制作したとは思えない(この前に放送された『ツギクルもん』は『レカペ』のシステムをそのまま採用していたが)、とても良い雰囲気の番組であったように思う。

ここからは演者について。まず、漫才。既に番組への出演経験があった漫才師たちは、それぞれ非常に良い仕事をしていた。増田のシンプルかつ濃厚な毒に岡田の何事にも屈しないアイアンハートなツッコミがワクチンとして見事に作用したますだおかだ、小細工無しの言い間違いスタイルで時代と共に変遷するアイドルたちの姿を描写したナイツ、若手のフレッシュ感を漂わせながらバカバカしさと下らなさに身を投じた流れ星・トレンディエンジェル、大悟の世界観だけではなくノブの超個性的なツッコミが冴え渡った千鳥、そして「安保法案」という今後を左右する重大な事案に対して時代の寵児たちを織り交ぜながら切り込んだ爆笑問題……とりわけフットボールアワーの漫才には感服した。後藤のツッコミスキルの向上に岩尾のボケがちゃんと対応している。後半での「カレーチャーハン」というワードセンスだけで押し切る様は、文字通り圧巻だった。

対する初出演組では、スピードワゴン、レイザーラモン、ハライチが印象的。スピードワゴンは、『アメトーーク』での特集をきっかけに小沢の存在感が明らかに強くなってきた。以前は、相方の井戸田潤をイジることで自分自身に注目が集まらないようにしていたのに、今では実に堂々と相方をイジっている。ちゃんと漫才の芯になっている。そのため、井戸田もより動きやすくなっていたように感じられた。稲川淳二のくだり、たまらなかったなあ。レイザーラモンは自らの武器を見つけたように感じた。ただただ楽しい漫才師から、楽しくて面白い漫才師への階段を駆け上がっていく、その途上なのだろう。これからが楽しみだ。ハライチはこれまでと同じ。同じだけど面白い。恐らく、実際は澤部の表現力も岩井のワードセンスも向上しているのだろうが、そう感じさせない。これまでと変わらないと感じさせる。それこそがハライチの恐ろしいところなのである。関係者各位、注意せよ。

一方のコント勢は、あまり目立った印象を受けない。アンジャッシュ、インパルス、ロバートと、職人気質のしっかりとしたネタを見せてくれる芸人が揃っていたからだろうか。とてつもなく古いコント『南の島のメイ』を披露したチュートリアルは、その意味では衝撃的だったといえるのかもしれない。それだけ思い入れの強いコントなのか、それとも単に徳井が女装をしたいだけなのか……。

その中でも、東京03と日本エレキテル連合は凄かった。東京03が演じたコントは、初対面で転んでしまった女性を「そういう人」としか見れなくなってしまう悲劇を描いた『そういう人』。過去、テレビでは比較的分かりやすいコントを演じてきた彼ら。『ENGEIグランドスラム』でも、家族に起こった問題に関する話し合いの場が気付けばキャバクラへの強い思い入れを語る場へと変貌を遂げる『家族会議』、オフィスで上司と部下が密会している現場に立ち入ってしまった男が立ち回りを間違える『終業後』と、日常的な風景が明らかに異質な状態へと変わってしまう様子を分かりやすく描いていた。だが、『そういう人』は違う。東京03の『そういう人』は、初対面で転んでしまった女性の姿が目に焼き付いてしまって、笑いをこらえることが出来なくなってしまった不条理を描いている。でも、その状況自体は、現実離れしたものではない。つまり、そこで生じている不条理に共感を覚えてもらわなければ、このコントはそもそも成立しない。それ故に、大衆に支持されなくてはならない運命を背負っているテレビでは、なかなかかけることが難しい……と、思われた。しかし、この番組は、そんなビミョーな前提を必要とするコントを、ノーカットで放送してみせたのである。ことによると、今回の放送は東京03にとって、一つのエポックメイキングといえるのではないだろうか。……いや、流石に言い過ぎか。日本エレキテル連合は内職的な作業をしている夫婦の姿を描写したコント『黄金夫婦』を披露。他のコントに比べると彼女たちの武器であるメイクが薄く、シチュエーションも日常的だ。だが、それ故に、夫婦の置かれている状況というか、何処にも抜けられない日常のサイクルに突入してしまっている様が浮き彫りになっていて、とてもおぞましい。仕事に対して細かくて口うるさい妻と、仕事に対して大雑把で妻の口を封じるための口先だけのことしか言えない夫のどうしようもない日常。この光景は何処かに存在している。実におぞましい。でも、そのどうしようもない感じが、とてつもなく面白い。

リズム勢もいい仕事をしていた。『なんでだろう』の最中に謎のマジックを披露したテツandトモ(岡村隆史とのコラボも素晴らしかった!)、これまでとはまったく違った手法でいつも通りに下品なことをやってのけたどぶろっく、ライブで何度も何度もかけている定番ネタをきちんとパッケージして楽しませてくれたCOWCOW。リズム芸はアクセントとして有用だ。唯一のピン芸人だったバカリズムも良かった……けれど、もうちょっとピンの枠を広げてほしいなあとも。テツandトモが有りなのだから、例えばダンディ坂野とか、長井秀和とか、陣内智則とか、はなわとか……。ゼロ年代にブームを巻き起こした芸人たちのことも、どうぞ呼んでいただきたい。先日、歌ネタ王になった中山功太もいいぞ。個人的には佐久間一行を一番にオススメしたいところなのだが……。

……と、ここまでああだこうだと述べてきたが、今回の主役はやはり今くるよと中川家のコラボ漫才だろう。実に素晴らしかった。何がどう素晴らしかったというのではない、ただただ素晴らしかった。あまりに素晴らしくて、少し目頭が熱くなってしまった。今いくよが亡くなって四ヶ月の間に、ここまでしっかりとモノマネを仕上げてきた中川家と、その気持ちに全力で応える今くるよの姿が、もう……。いやいや、こんなことで感傷的になるようでは、まだまだお笑い数寄者としての覚悟が足りない。とはいえ、いいものを観させてもらった。

次回の放送は未定。だが、既に第2回『ENGEIトライアウト』が収録されているので、きっと第4回も放送されるのだろう。ちなみに、第2回『ENGEIトライアウト』の出演者は、アルコ&ピース、銀シャリ、三四郎、しずる、プラスマイナス、U字工事の六組。『THE MANZAI 2012』『キングオブコント2013』ファイナリストのアルコ&ピースはストレートで出演しても良かったような気もするが……。何か基準のようなものがあるのかもしれない。厳しいな。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

ご無沙汰です。
フットはかつての「こちらが取り皿になります」を連呼する居酒屋店員を思い出しましたが、明らかに進化してましたね。スピードワゴンも凄く面白かった。バラエティで立ってきたキャラが、漫才に見事に活かされているのを見ると、凄く嬉しくなります。

No title

御無沙汰しております。

フットボールアワーはこの番組に出るたびに漫才師としてのポテンシャルの高さを見せつけてくれるのが嬉しいねえ。タレントとしてバリバリやってるのにあれだけのポテンシャルを維持できる凄さ。

スピードワゴンはやっと時代が追い付いたって感じも少し。ここにきての再ブレイクは本当に嬉しい。
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

検索フォーム
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。