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『ジャルジャルのきじゃら』(2015年11月4日)



2015年10月7日から12月23日にかけて12週連続でリリースされる、ジャルジャル自選コント集の第五弾。

新人ミュージシャンがデビュー曲のプロモーションのために出演したラジオ番組のDJは、とにかく滑舌が悪くて何を言っているのか分からない『滑舌DJ』。銀行強盗が人質に取ったのは、一見すると平凡でこれといって個性のない男……だったのだが『人質チョイスミス』。白と黒のメリハリの利いた衣装に身を包んだユーモラスな二人が、「なんでなんかな♪」のリズムに合わせてあるあるネタを披露する『なんでなんかな♪~日本一面白くない芸人~』。試合を前日に控えた女子バレー部のメンバーに欠員が出てしまったため、顧問の教師が何故か男子生徒にその代役を依頼する『女子バレー部』。一般人も参加できるマラソン大会に、ピエロの格好をして参加している男がいて……『おふざけランナー』。とあるバラエティ番組のオーディションで落とされたピン芸人「チャラ男番長」が、どうしても採用されたい一心から審査員にムチャクチャな要望を叩きつける『チャラ男番長』。以上、六本のコントを収録している。

最初から最後まで滑舌の悪さで押し切っている『滑舌DJ』は、普段は普通に喋れるのに、番組が始まると滑舌が悪くなってしまうところがポイント。思うに、ラジオ番組の時だけ、声のトーンを変えているDJに対する皮肉なのではないだろうか。『人質チョイスミス』は設定から想像できないだろうが、後藤のギャグ(?)を中心としたコントである。ああいう無機質な状態になったときの後藤の面白さは、もうちょっと世間に知られてもいい。『なんでなんかな♪~日本一面白くない芸人~』は一見すると『なんでだろう』で知られるテツandトモを皮肉ったコントに見えるが、むしろ比較対象を明確にすることで、コントに登場するお笑いコンビのダメさを浮き彫りにしているのではないか……と考えているのだが、実際のところはどうなんだろう。『女子バレー部』は後半の展開がとにかくスリリング。あまりに不条理な展開に、ちょっとしたサイコホラーのようにも感じられた。『おふざけランナー』は一発勝負のコント。その想像できるオチを全力でやり切る姿がたまらなく面白かった。『チャラ男番長』もまたサイコホラーじみたコント。むしろサイコパスか。芸風はシンプルなのに人間性が完全にイカれている芸人を生々しく演じていて、だからこそオチにちょっと安心させられてしまう不思議さ。

これらのコントに加えて、都会の公園に24時間密着したドキュメンタリー『定点観察~都会の公園24時~』を特典映像として収録。過去の四作品での特典映像は特定のコントのキャラクターに着目したつくりになっていたが、本作は場所がテーマとなっていることもあってか、本作のコントに登場したキャラクターたちが次々に登場している。日本一面白くない芸人のネタ合わせ、銀行強盗の人質になった男、女子バレー部に引っ張り出された男子生徒、チャラ男番長、そして……。あの男は何故、この公園にいたのか。なにやらストーリーらしきものが見えてきたが、まだまだ流れは見えてこない。


■本編【34分】
「滑舌DJ」「人質チョイスミス」「なんでなんかな♪~日本一面白くない芸人~」「女子バレー部」「おふざけランナー」「チャラ男番長」

■特典映像【11分】
「定点観察~都会の公園24時~」
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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