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げげが往く。

水木しげるが亡くなった。

子どもの頃の僕にとって、水木氏はヒーローのような存在だった。

小学一年生の時の文集の将来の夢の項には「妖怪博士」と書いた。

珍奇で愉快な妖怪が好きだった。

そんな妖怪たちを愛して止まない水木氏が好きだった。

鬼太郎が、悪魔くんが、河童の三平が、好きだった。

小学校の中学年くらいの時に、僕ら家族は旅行で水木しげるロードに立ち寄った。

でも、妖怪たちの銅像にコーフンしたことくらいしか、記憶に残っていない。

僕が再び水木しげるロードに踏み込んだのは、大学を卒業して、少し後になってから。

年甲斐も無く、ぬりかべのぬいぐるみを買って、今でも枕元に置いている。

そして今日、訃報が伝えられた。

Twitterでは「水木氏があの世に出かけた」というようなツイートが飛び交っている。

「そう言われるところが氏の人間性を物語っている」というツイートも目にした。

僕も最初は、そういうツイートをしていた。

でも、ダメだ。

僕はまだ、水木しげるがいなくなってしまった、この世界を受け入れがたい。



水木氏が教えてくれたのは、妖怪のことばかりではない。



『錬金術』という短編がある(ちくま文庫『ねずみ男の冒険』所収)。

ねずみ男扮する「丹角先生」から錬金術を教わった一家が、

その方法で石や瓦を金に変えようと奮闘するのだが、

なかなか金にならない。

この状況に疑問を抱いた息子の三太は、丹角の元を訪れて問う。

「錬金術からはいつまでたっても金は出なかったじゃないか」

すると、彼はこう言ってのける。

「錬金術は金を得ることではなく」

「そのことによって金では得られない希望を得ることにあるんだ」

「人生はそれでいいんだ……」

「この世の中にこれは価値だと声を大にして叫ぶに値することがあるかね」

「すべてまやかしじゃないか」



水木氏は、水木作品は、人生を教えてくれた。

今生では叶わなかったが、来世ではきっとお会いしたく存じます。

では、また。
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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

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https://twitter.com/Sugaya03

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