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『レミーのおいしいレストラン』

レミーのおいしいレストランレミーのおいしいレストラン
(2007/11/14)
ルー・ロマーノブラッド・バード

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 才能の欠片も無いレストランの雑用係リングイニが、天才的才能を持つネズミのレミーとタッグを組んで、次々と素晴らしい料理を作り出していく……という話。監督は『アイアン・ジャイアント』『Mr.インクレディブル』などを手がけているブラッド・バード氏。

 レミーが尊敬しているシェフが既に亡くなっていたり、料理人の前に評論家が敵役として登場したり、厨房唯一の女性料理人コレットが早朝、挙動不審なリングイニと話をするシーンで防犯スプレーを隠し持っていたり。これまでのピクサー作品と比較して、かなりオトナな視点で描いている。根っこの設定はファンタジーだけど、そこに生じるドラマは結構ハードなんだな。

 例えば、レミーは天才料理人(鼠?)だけど、仲間のネズミには、それをなかなか理解してもらえない。当然だ。彼らは食べること自体が目的であり、味を感じることは重要ではないからだ。そんな彼らの元から離れてからも、レミーはネズミであるという自らの宿命から逃れることは出来ない。その後、リングイニと料理を作り続けたレミーだったが、再び仲間たちと出会い、心を許してしまうことで、ネズミとしての宿命を再び背負うことになる。

 一方のリングイニも同様だ。元来、料理の才能なんかこれっぽちもないリングイニは、レミーと協力することで、天才料理人として持ち上げられる。愛すべき女性に出会うことも出来たし、自分の店を持つことも出来た。でも、それが彼の心に葛藤を生む。才能の無い自分が、才能以上のものを手に入れてしまったという苦悩が、彼にまとわりつく。

 言ってみれば、この作品は自己同一性(アイデンティティ)の物語なんだな。自分が何者であり、何をなすべきかを考える物語なんだ。そういえば『Mr.インクレディブル』にも、似たようなところがあった。『アイアン・ジャイアント』は未見なので分からないけど。

 ただ、時代の流れのせいで強制的に引っぺがされたアイデンティティを取り戻そうとする『Mr.インクレディブル』とは違い、『レミーのおいしいレストラン』はアイデンティティを構築する物語。だから、レミーやリングイニはジグザグと動き悶え苦しみながら、そのアイデンティティを掴み取ろうとする。その姿が、なんだか見ていて辛い。

 邦題が『レミーのおいしいレストラン』なんて、如何にも子どもウケを狙っているような駄センスなタイトルだったんで、てっきりガキっぽい作品なんじゃないかと思っていたんだけれど、いや、これはオトナ向けだよなあ。子どもがウケる要素、殆ど無いもん。

 しかし、『レミーのおいしいレストラン』っていうタイトルは、やっぱり無いよなあ……。
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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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