スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!』

映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!
(2007/11/23)
矢島晶子.ならはしみき.藤原啓治.こおろぎさとみ

商品詳細を見る

思えば、ムトウユージによる映画『クレヨンしんちゃん』シリーズは、その全てが『クレヨンしんちゃん』という作品に対する既成概念を、根底から破壊するものだった。第一作目である『3分ポッキリ大進撃』は、これまでの映画作品の多くで取り上げられてきたテーマである野原一家の絆を疑った作品だったし、第二作目である『踊れ!アミーゴ!』は、既存のキャラクターたちをグロテスクな怪物にしてしまうことで、観客たちの恐怖心を煽った作品となった。果たして、第三作目となる今作は、初めてムトウ氏が映画『クレヨンしんちゃん』に真摯に向き合った作品だったと言えるだろう。

序盤はそれほど、悪くはなかった。いわゆる映画『クレヨンしんちゃん』が過去に見せてきたような、テンプレート的に分かりやすい正義と悪の戦い。正義の側の名前が“UNTI(ウンツィ)”という、悪ふざけのようなネーミングセンスも面白くて笑えたし、一方の悪の側である“ひなげし歌劇団”は完全に宝○歌劇団のパロディで、これまた下らなくて笑えた。水島努監督時代のギャグセンスを感じさせつつも、独特の雰囲気を出すことには成功していたのではないかと、この時点では思っていた。

ただ、中盤からの展開がいただけない。それまでのカオスでハイテンションな勢いを完全に投げ捨て、強引かつ過剰に家族愛を持ち上げ、如何にも泣けるストーリーに仕立て上げようとする流れは、どう考えても無理が過ぎるというもの。過去二作品に対する不評へのアンチテーゼなのかもしれないが、あそこまでバカバカしい作品として昇華していたものを、急に家族愛へと押し流そうとする展開は、あまりにも観客を無視しすぎているのではないだろうか。また、バカバカしさ溢れるサブキャラクターを務めていた“UNTI”も“ひなげし歌劇団”も、それほど掘り下げられることなく、最終的に丸投げされてしまったのには、些か呆れるものがあった。

僕が年を取ってしまったからなのかもしれないが、ここ数年に作られた、日本のアニメーション映画は、どうも作品として脆弱になりすぎているように思うことが多い。いや、アニメに限らず、あらゆる創作物が脆弱になってきている。ああ、日本のクリエイターたちは、一体何をやっとるのか……と、無駄に日本の将来を憂いだところで、この感想文を終えることにする。憂いでる暇があるなら、お前が作れよって話だが。

まったくの余談になるが、ムトウ監督は例えば水島監督が手がけた『栄光の焼肉ロード』の様な、八割以上がギャグのみで構成されているような作品を作れば、もっと良い評価を得ることが出来たのではないかと思う。少なくとも、今作におけるギャグパートは、なかなかセンスの良いものだったから。下ネタが多かったけど。またいつか、ほとぼりが冷めた頃に、ちゃんとリベンジしてもらいたいな。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

検索フォーム
最近のコメント
最近のトラックバック
カテゴリー
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。