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『青春少年マガジン1978~1983』(小林まこと)

青春少年マガジン1978~1983 (KCデラックス)青春少年マガジン1978~1983 (KCデラックス)
(2008/12/17)
小林 まこと

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『1・2の三四郎』『柔道部物語』などで知られている漫画家、小林まことがまだ若手漫画家として「少年マガジン」にマンガを連載していた頃のエピソードをコミック化した作品。いつもの小林作品と同様、とってもバカバカしいノリで綴られているけれど、週刊連載が追いつかずに手を抜いていたことや、振り込み通知を見ると印税として180万円が振り込まれていたこと、五日間不眠不休でマンガを描き続けた末に鼻血を噴き出して倒れたことなど、かなり強烈なエピソードがさりげなく綴られている。

ただ、そういったエピソードを吹き飛ばすほどに強烈だったのが、当時小林氏と頻繁につるんでいたという若手漫画家「小野新二」「大和田夏希」に関するエピソードだ。“新人3バカトリオ”と称された彼らは、それぞれに漫画家としての道を歩み、その山を築いていく。ところが、少しずつではあったが、その山はだんだん崩れ始める。連載三年目に突入した小林は、心も身体も疲れきり、精神的に不安定になっていく。大和田の作品はだんだんと人気が落ちていき、彼自身の精神もまた穏やかなものではなくなっていく。小野はドライに構えていたが、酒の飲みすぎで肝臓を悪くしてしまう。漫画家であるということ、漫画を描き続けるということのハードさを、それらのエピソードはシンプルかつ辛らつに描いている。もしもこれが、小林まことのシャープでドライな画風じゃなかったら、かなり読むのも辛い作品になっていたのではないかと思う。うん。

最終的に、三人には辛い別れがやってくる。本当なら、そこで泣くべきなのだろう。しかし、小林氏は持ち前のイイカゲンさをこのタイミングで発揮してしまい、物語はやや流れ作業的にイイカゲンなノリで終局を迎えてしまっている。惜しい。実に惜しい。でも、これが小林マンガだよなあ……という気もする。あくまでも漫画家としての持ち味で、過去の自分を振り返ったということなのではないだろうか。分からんけど。なんだかんだで、良い作品だったと思う。うん。

最後に余談。本書巻末には、小林氏のデビュー作品である『格闘三兄弟』(後に『1・2の三四郎』となる読み切り)が、完全に収録されている。既に当時から、その妙に透き通った作風が完成されており、なんだか面白い。ちょっと古臭いけど。これを読むためだけに買うというのも、一つの手かもしれない。というか、講談社はそれ狙ってただろうなあ(笑)
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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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