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『ジャルジャルの戯(あじゃら)2』

ジャルジャルの戯 2 [DVD]ジャルジャルの戯 2 [DVD]
(2009/02/25)
ジャルジャル

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ジャルジャルのセレクションライブDVD『ジャルジャルの戯(あじゃら)2』が発売された。タイトルで分かるように、昨年十月に発売された『ジャルジャルの戯(あじゃら)』の第二弾にあたる。背表紙を見た印象では、第三弾も発売されるのではないかと思われる。今年中に発売されるだろうか。

前作には九本のコントが収録されていたが、今作には十二本のコントが収録されている。とはいえ、収録時間は特に変わっていないので、一本一本が少し短くなったということだろう。というか、前作に収録されているコントが、ちょっと長めのものが多かっただけなのかもしれない。『しりとり』とか『変装』とか、長かった印象が。

今作に収録されているコントには、発想を重視したものが多い。例えば、『同い年家庭教師』というコント。文字通り、家庭教師の先生と生徒が同い年だというシチュエーションのコントで、従来の師弟関係が“同い年”であることが発覚した途端に崩壊してしまうという人間の脆さを描いている。そこまで深い意味は無いか。でも、先生が「大学生」であることを武器に一浪の生徒を攻撃したり、その一浪の生徒が先生を「目立たない」という人間性云々以前の問題点を攻撃したりする姿は、人間の愚かで脆弱な心をさりげなく批判しているかのように見えなくもない……って、流石に深読みしすぎか。

これ以外にも、会議をサボりたいが為にテキトーな嘘を積み重ねていく『嘘つき通す奴』、バイトの面接にやってきた男が何故か店長にため口をし続ける『ため口』、カバンに異常に固執したひったくり犯が病的で面白い『しつこいひったくり』など、ジャルジャルならではの発想が活かされたコントが続いている。

これらのジャルジャルコントに共通しているのは、そのいずれもが発想を深く掘り下げず、むしろ発想を何処まで引き延ばせるかを考えて作られている、ということだ。例えば、普通の芸人ならば、一つの発想をスタートラインとして、そこから様々な場所へ移動し、何処かしらかをゴールにする。しかし、ジャルジャルは一つの発想をスタートラインではなく、自らの行動範囲にしてしまうのである。つまり、発想がスタートであり、プロセスであり、ゴールなのである。

ここで、個人的に好きなコントを紹介しよう。コントのタイトルは『Kumo』だ。

『Kumo』は、二匹の蜘蛛が尻から糸を出して遊んでいると、片方の蜘蛛(福徳)の尻から糸が出なくなってしまうというコントだ。「糸を出して遊ぶ→糸が出なくなる→糸が出るように苦心する→糸が復活する」という、非常にシンプルで分かりやすい展開で、どことなく童話的な雰囲気を醸し出しているコントだ。まず、尻から糸を出すという演出だけで、“蜘蛛”を表現し切れているという発想が素晴らしい。しかも、その蜘蛛たちがコント中にやることといえば、尻から糸を出して遊ぶということだけだ。そこには、メッセージも主義主張も何も無い。ただ、無邪気で馬鹿馬鹿しい空間が、そこには広がっている。二匹がエセ英語で会話するというシチュエーションも良い。どういう会話をしているのか想像する楽しさがあるし、舞台の二人を“二匹の蜘蛛”というキャラクターとして認識しやすい。

前作よりも一本一本のコントが短かった(展開を重視した内容のコントが少なかった)ためか、発想の鋭さをより強く感じさせられた今作。それはそれで良いのだけれど、そればっかりだと、ちょっと食傷気味になってしまうことも否めず。一本一本のクオリティは確かに高かったけれど、もうちょっとバランスを考えてもらいたかったなあ……と思わなくもない。まあ、そこは好みか。

最後に余談。今作に収録されている『落語』というコントを観て、なんとなくチョップリンの『ティッシュ』を思い出したのは、僕だけなのだろうか。いや、パクりとか、そういうことを言いたいんじゃなくて。コントの先駆者として注目されているジャルジャルとチョップリンが同傾向のコントを作っていたという点に、ちょっとドラマを感じてしまったもので……。


・本編(62分)
『同い年家庭教師』『熱烈kiss』『しつこいひったくり』『嘘つき通す奴』『変わったことしようとしてる漫才師』『柔道』『あんまりよくない歌』『Kumo』『ため口』『笛が落ちずにすんだ奴』『落語』

・特典
特典映像(16分)+特典映像NG集
副音声:後藤の実家で収録したネタ解説
特典CD:ジャルジャルSPコント40連発(77分)
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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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