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『爆笑オンエアバトル タカアンドトシ』

爆笑オンエアバトル タカアンドトシ [DVD]爆笑オンエアバトル タカアンドトシ [DVD]
(2009/03/31)
タカアンドトシ

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『爆笑オンエアバトル NON STYLE』の表紙裏を見てみると、次のような一文が記載されている。<まさにオンエアバトルに育てられたと言っても過言ではない「NON STYLE」の成長過程がここに!> この一文に僕は、とにかく違和感を覚えて仕方が無い。勿論、NON STYLEが番組に出演していた三年の間に、彼らは何かしらかの成長は遂げていただろうとは思う。が、彼らがオンエアバトルによって育てられてきた芸人だという印象は、正直言ってまったく無い。

というのも、オンエアバトルにおけるNON STYLEというと、オンバトデビュー戦の時点で漫才師としての話術が完成されていたからだ。それ以後の彼らがやったことと言えば、その話術を如何に伸ばすかという画策と、「イキリ漫才」というスタイルの継続のみである。そんな彼らが、果たして<オンエアバトルに育てられた>と言えるのだろうか。個人的には、むしろオンエアバトルを離れてから、芸の幅を広げていた印象があるのだが……。ただ、その文句を使用するのであれば、むしろタカアンドトシに対するものであるべきなのではないか、という気持ちが強い故に、そう感じてしまうのかもしれない。

オンエアバトルにおけるタカアンドトシの漫才史は長い。初めてオンエアされたのは、今から八年前の2001年だ。その後も、彼らは連勝に連勝を重ねていき、NON STYLEとチャンピオンを交代した2007年まで、番組に出演し続けた。その間、彼らが披露した漫才の総数は、なんと二十四本。しかも、初期の漫才は、彼らの持ちネタである「欧米か!」スタイルの漫才ではなかった。番組に出演している間に、そのスタイルは発見されたのである。そのことを考慮すると、<オンエアバトルに育てられた>のは、タカアンドトシの方であると言えるのではないだろうか。

今回発売された『爆笑オンエアバトル タカアンドトシ』には、彼らが2001年~2007年の間に披露してきた二十三本の漫才が収録されている。これはもはや、タカアンドトシの漫才クロニクルと言っても過言ではないだろう。そこで今回は、今作に収録されている漫才を振り返りながら、如何にして今のタカアンドトシの漫才が開発されていったのかを、見ていきたいと思う。

ちなみに、番組で披露された漫才の総数と、今作に収録されている漫才の本数が違う理由だが。恐らく、そのカットされた漫才が、M-1グランプリ決勝の舞台で披露された漫才と同じものだからだと推測される。こういうケチ臭いところが、なんとも吉本興業らしい。あくまでも、推測に過ぎないが。単に収録時間の容量が足りなかっただけなのかもしれない。
 
先にも書いたように、タカアンドトシのオンエアバトルデビュー戦は2001年。番組史上初の札幌収録が行われた日のことだった。そこで彼らは、469kbという高数値を叩き出す。当時のタカトシはまだ札幌吉本所属で、いわゆる地元芸人としての出場だった。しかし、この時に彼らが披露したネタは、アニメや音楽などの版権ネタを盛り込む一方で、地元色を一切省いたオーソドックスなしゃべくり漫才だった。デビュー戦は地元票を意識せずに純粋なしゃべくり漫才師として勝負し、勝利したのである。

2001年06月23日『歌』(469kb)

この初オンエア時の結果が評価されたのだろう。その後もタカトシは、オンエアバトルに挑戦し続けることとなる。しかし、初オンエア時に獲得した469kbを上回る数値を出すことは、なかなか難しかった。それどころか、初オンエア以降の一年間は、低キロバトルでのオンエアが続いた。もちろん、ネタがオンエアされるだけでも御の字ではあったのだが。パッとしない結果が続いていたことは、彼らに何かしらかの不安を抱かせていたのではないだろうか。

2001年09月17日『交通事故』(349kb)
2001年11月12日『アメリカ/バスガイド』(393kb)
2002年03月11日『嫌われている奴』(377kb)
2002年04月20日『実家のお母さん』(349kb)
2002年04月20日『東京』(449kb)
2002年10月19日『学生時代』(421kb)

そんなタカトシの漫才に転機が訪れたのは、2002年12月のこと。この時のオンエアで、タカトシは初オンエア時の数値を上回った473kbという高数値でオンエアを果たしている。この時、彼らが披露した漫才は、初デートのカップルのやりとりに見知らぬおっさんが勝手に入り込んでくるというもの。この「同じやりとりを繰り返す」ことによって生じる笑いが、後の「○○か!」漫才に繋がっていくのではないかと、僕は推察する。

2002年12月08日『初デート』(473kb)

この次の回に披露した漫才が、タカトシがオンエアバトルで最初に披露した「○○か!」漫才だった。遠足の楽しさをテーマにしたしゃべくり漫才の中で、トシが「昔か!」というツッコミを何度も入れる姿を目撃することが出来る。ただ、まだ当人たちに自信が無かったからなのか、前半は「昔か!」を中心としたやりとり、後半は通常のしゃべくり漫才という二部構成的な内容になっている。ちなみに、キロバトルがあまり伸びなかったのは、後半のしゃべくり漫才パートのオチで、タカのブラックなボケが飛び出したからではないかと思われる。遠足の最中にいなくなった後藤が、岩場の影からひょこっと……。その数値に不安を覚えたのか、タカトシは再びしゃべくり漫才中心のネタ作りを始めた。その結果、しゃべくり漫才師としての能力を高めたようで、この頃に彼らは初めてのオーバー500を経験する。

2003年04月05日『遠足』(453kb)
2003年06月28日『ロック』(449kb)
2003年10月18日『夏』(529kb)
2004年02月14日『ナレーション』(477kb)

そうして迎えた、第6回チャンピオン大会。タカトシが参加したセミファイナル会場は、東京の芸人に厳しい視線を持っているとされている大阪。しかしそこで、彼らは918kbという数値を叩き出し、ファイナルへと駒を進める。この時、彼らが披露した漫才は「旅立ち」をテーマにしたもの。出身地である北海道を飛び出して東京へと旅立つ姿をコミカルに描いた漫才は、何処となくノスタルジーな雰囲気が漂っていた。一方のファイナルでは、2002年12月に披露した『初デート』のおっさんシステムを作り直した漫才で勝負。過去に見せたボケの使い回しもあり、ある意味、これまでのタカトシ漫才の集大成とも言えるような内容だった。……が、キロバトルは伸びず。アンタッチャブルの優勝を見送る結果となった。

2004年03月13日『旅立ち』(918kb/1090kb)
2004年03月20日『ドキドキする瞬間』(578kb/1090kb)

翌年度、彼らは変わった。もっとはっきり言うと、タカの喋りが変わった。これまでにタカアンドトシが披露してきた漫才において、タカは常にボソボソと大人しいボケを繰り出すスタイルを取っていた。しかし、2004年度に入ってから、タカの喋りに強みが増した。強めのツッコミを繰り出し続けていたトシをやり返すほどに。それと同時に、タカの衣装も大きく変化を遂げる。これまで、ファッショナブルな衣装に身を包んでいたタカが、少しずつダサい衣装を着るようになったのだ。どういう心境の変化があったのかは分からないが、この2004年にタカのスタイルは大きく変化した。二つの意味で。そして、この時期から「○○か!」漫才が完全復活。「大人か!」「おてんばか!」を連発させて、自己最高記録を更新する。この時期、タカトシはM-1グランプリ2004決勝の舞台に立つ。彼らは漫才師として、着実に進化を遂げていた。

2004年09月19日『モノマネ』(521kb)
2005年02月06日『道草/待ち合わせ』(525kb)

そんなベストコンディションで迎えた、第7回チャンピオン大会。セミファイナルでは、シンプルかつスピーディーなしゃべくり漫才を披露。既にしゃべくり漫才師としての手腕を鍛えているタカトシにとって、セミファイナルは単なる通過点でしかない。貫禄の1034kbで、堂々と予選を通過。ファイナルでは、セミファイナルでのスピーディーなしゃべくり漫才に「主婦か!」ツッコミを絡めたしゃべくり漫才で大爆発。見事に王者・アンタッチャブルを撃破し、タカトシは7代目チャンピオンとなったのである。

2005年03月13日『コンビニのバイト』(1034kb/1090kb)
2005年03月27日『修学旅行』(986kb/1090kb)

チャンピオンになってからのタカトシも、相変わらずの絶好調ぶりを発揮していた。2003年4月に披露した『遠足』の漫才を「昔か!」中心にリメイクしてオーバー500を記録したり、「女子か!」を連発させる新作漫才でオーバー500を記録した。どうやらこの時期から、彼らは完全に「○○か!」漫才へのシフトチェンジを果たしたようだ。その年度のチャンピオン大会では、「○○か!」漫才の形式を崩した漫才で勝負。ルート33以来、史上二組目の連覇を成し遂げたのだった。

2005年10月16日『遠足』(509kb)
2006年01月15日『男同士の友情』(505kb)
2006年03月19日『サンタ/ボケとツッコミを入替』(946kb/1090kb)

二連覇を遂げた翌年度、タカトシは一度だけ通常回に出場。「老夫婦か!」「アフリカか!」を駆使した漫才で、難なくオーバー500を記録する。この頃からタカトシの「○○か!」スタイルの漫才は世間に浸透し始めたようで、この年に行われた単独ライブはトシの「○○か!」ツッコミの中でも代表的な「欧米か!」をタイトルに模したものになっている。その名も『タカアンドトシ新作単独ライブ タカトシ寄席「欧米ツアー2006」』。良いパロディだ。

2006年11月04日『プロポーズ』(505kb)

第9回チャンピオン大会ファイナル。タカトシにとっては、番組史上初の三連覇が掛かった大事な舞台。タイムマシーン3号、三拍子、キャン×キャン、ハマカーン、流れ星などの番組常連組が名を連ねる中で、タカトシが披露したのは『結婚生活』をテーマにした漫才だった。時事ネタを取り上げたツカミに、ボケを詰め込んだハイテンポなしゃべくりに、新しく激しい動きを加えた、非常にダイナミックな漫才。決して手を抜こうとせず、本気で三連覇を狙っていることが伝わってくる漫才だったが、惜しくも連覇は成し遂げられず。9代目チャンピオンの座をNON STYLEに譲ることになった。

2007年03月24日『結婚生活』(958kb/1090kb)

以上が、オンエアバトルにおけるタカアンドトシの歴史だ。初挑戦時には25歳だった彼らも、番組を卒業する頃には31歳になっていた。札幌に所属していた彼らの東京進出を決定付けたのも、オンエアバトルでの初オンエアがきっかけだ。芸人として、人間として、タカアンドトシは確かにオンエアバトルともに成長してきたのである。現在、タカトシはタレントとしてバラエティを中心に活躍している。それなりに評価されているようだ。

そんなタカアンドトシが、2009年5月に単独ライブを行うという話を耳にした。『欧米ツアー2006』以来、三年ぶりの単独ライブとなる。そのタイトルは、なんと『タカアンドトシ単独ライブ in日本青年館「勝手に!M-1グランプリ」』。タカアンドトシの二人が、様々な漫才師に扮して色々なネタを披露するというライブなのだそうだ。タレントとしての活動が増えてきても、彼らの根っこにあるのは、あくまでも漫才師スピリッツということなのだろう。

漫才師としてのタカアンドトシは、まだまだ終わらない。


・本編109分+特典映像10分
・特典映像:質問形式でオンエアバトルの思い出を振り返る!
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代表作といえる「欧米か!」中心の漫才はたしかオンエアバトルの特別編で披露したからここには収録されてないんですねー
「となりのダンナ」「ワオ!」

あ、そうでしたっけ。
てっきりカットされた回で披露されているものと…。
まあ、「欧米か!」は単独の方でちこっとやっていたので。良し。僕の中で良し、です。

でも確か、どれかのネタで少しだけ「欧米か!」ネタに触れていたような記憶が。
「ユー!」「欧米か!」みたいな。どれだっけかな。

4月26日には、地元(札幌)でプレ公演みたいなのもやるみたいですね

レギュラー減った芸人がやるならまだしも、そんなに仕事量・露出量減って無い(むしろ増えている)タカアンドトシがライブやるとか、余程TVで消費される分芸人としてのアイデンティティが喪失してしまう事への危機感が現れたのだとも思えたのですが

悪く言えば「必死だな(笑)」と

ライブの概要を見た限りでは、いわゆるガチンコの漫才ライブというわけではなく、前作と同様に「漫才で遊ぼう」みたいなスタンスのライブになっているように思われます(構成に鈴木おさむがついてるらしいですし)。なので、漫才アイデンティティの復古というよりも、舞台の勘を忘れないという意味合いが強いのではないか、と考えています。分からないですけどね。

どうやらM-1に出たときと同じネタの回だけ収録されてないみたいですね。

と思ったら、よく読み返したらもう書いてらっしゃいましたね(汗 個人的にその憶測、けっこう当たってそうな気が・・・。

ああ、ツッコミを入れる前に自己解決してる!
実際のところ、どうですかねえ。分からないですけどねえ。
ある意味、吉本らしくて良い気もします。良いのかな?(笑)

No title

タカトシのどこが面白いの?楽しいの?
ただただドツキだけで何の意味も無い内容。
ケジメが無さすぎ、洒落なのか真面目なことなのか。

No title

何か意味のある漫才が果たして存在するのか…。
ドツキを否定するのであれば、あした順子・ひろしはどうなるのか…。
何をもってケジメがないと言い切っておられるのか…。

ちょっと分からないです。

No title

「欧米か!!」ではやった時に、「子供からお年寄りまで見れる安心漫才」みたいな評価が広まったけど、オンバト見てると全然そんな事ないですよねwww

タカ「子供にいたずら」
(中略)
トシ「誰にやられたんだ? マイケルか?」

NHKのチャンピオン大会でこの台詞はww
でもネタ自体は時間が経っても風化しないのが多いので、そういう意味では「大人から子供まで」かもしれませんね

No title

割と初期のネタはブラック要素も強いです。
最初の『遠足』では、最後に子どもの水死体が浮かんできますしw
ちょっと爆笑問題の太田さんあたりに憧れていたのかもしれません。
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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