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ラーメンズ第十七回公演『Tower』レポート

行ってきた。何に行ってきたのかというと、ラーメンズ第十七回公演『Tower』の観賞に行ってきたのである。日頃はお笑いDVDの感想ばかりを書いている僕。もちろん、ラーメンズの舞台公演を直に観賞するのは、今回が初めてのこと。というか、お笑いライブと呼ばれているものを観賞すること自体が、初めてだったりする。「初体験だから優しくして」とか言ってみる。誰に頼んでるんだ。

今回は、同じくラーオタの母と姉と妹の四人で参加することとなった。チケットが取れた日には、「コスプレして行こうか」とか、「公演中に名前を呼んでみようか」などという暴言を吐いていた彼女たちだったが、当日は実に当たり前な服装に身を包んでいた。ああ、一安心。ただ、片桐仁を意識して、普段はかけていない黒縁メガネを装着していたが。性別的には、完全にアンジェラ・アキである。父の運転する車に乗って、会場のある高松市まで一時間。じっくりとドライブを楽しんだ。会場であるアルファあなぶきホールに到着したのは、ロビー開場時刻である十八時を過ぎた頃。タイミングとしては、実に丁度良い。車を降りた途端、潮の匂いが飛び込んできた。海が近いのである。目の前にフェリー乗り場があるのである。高松駅から程近い場所なのに、なんだか閑散としている。県庁だからとはいえ、派手である必要は無いという田舎魂なのだろう。ンなわきゃない。

今回のライブには参加しない(というかラーメンズには興味が無い)父と別れ、四人で会場入りする。それなりに人がいるが、思ったよりも少ない。会場時刻を過ぎているのだから、当然の話である。ケータイの電源を切り、チケットを持ち、速やかに会場入りすると……人! 人! 人! 物販に並んでいる人たちの列で、溢れ返っていた。おのれ、物欲の亡者どもめ……と思いながら、自分たちも列に並ぶ。並んでいる最中、腹が痛くなる。ちょっと緊張すると、すぐにこれである。家族と別れ、洋式トイレに立てこもる。用を足している途中、ホールから流れてきているのだろうBGMが聞こえ始めて、大いに焦る。が、トイレから出てみると、まだ開演二十分前だった。焦らせやがって! 並んでいた家族に頼んでいた『小林賢太郎戯曲集 STUDY ALICE TEXT』を受け取って、思わずニンマリ。直筆サインを期待するが、特に何も無し。……ケチ!

ちなみに、物販では「ポスター」「ピンバッチ」「Tシャツ(完全受注)」などのライブグッズと、片桐仁が関係している書籍『粘土道 完全版』『おしえて何故ならしりたがりだから』『ラーメンズ片桐仁のガンプラ戦士ジンダム』、それから本公演DVD『home』『TLAT』『TEXT』、そして『小林賢太郎戯曲集 study ALICE TEXT』が販売されていた。コントの幕間に流されているサントラCDが発売中だと聞いていたので、少し期待していたのだが、それは売られておらず。残念。またamazon奴隷だぁ。

開演二分前あたりで、指定された席に座る。一階の六列目。かなり前の方の席である。しかも、ほぼ中央という位置。はっきり言って、かなりの良席だ。初めてのお笑いライブで、こんな良い席を貰って宜しいのでしょうか、おお、神よ! ……ということは微塵も思わず、静かに座する。さりげなく流されていたBGMの音量が、少しずつ大きくなる。怨霊ではない。それに反比例して、会場の照明は少しずつ落とされていく。怨霊の仕業ではない。もう、すぐ。もうすぐだ。念のため、隣りの席に座っている母が準備していたマフラーを受け取り、腹部に当てる。ああ、暗くなっていく。音楽はどんどん大きくなっていく。もうすぐだ、もうすぐ、もう……!

突然の明転。舞台には、二人の男が立っていた。
 
本来なら、ここでネタの話をすべきなのだと思う。ただ、まだ全ての公演が終了していない、しかも映像化されるかどうかはまだ現時点ではハッキリとしていないライブについて、事細かに書くという行為は、お笑いウォッチャーとしてはあまり宜しくない行為だ。マナー的に。恐らく、当ブログに上げられている文章を熱心に読み込んでいる奇特な読者の皆様方の中に、今回の公演を直接観に行く予定の人は決して多くないだろうが、それでも検索で当ブログを訪れる人のことを考慮すると、やはりネタバレをすべきではないだろう。うーん、回りくどい。なので、今回は勝手にコントのタイトルを提示するだけに留めることにする。ただ、その結果、それがネタバレになってしまっている可能性もあるので、これから公演を鑑賞する予定がある人は、やはり読むべきではないだろう。

以上のことを踏まえて、どうぞ。

『塔の上で』
『パーティ会場の裏で(あやとり)』
『語感と妄想』
『タワーマニア』
『ハイウェスト』
『五重塔』
『塔の上で2』


ここからは総評。

今回の公演でとにかく驚かされたのは、舞台装置の多さだった。ラーメンズのコントといえば、最低限の小道具しか使用しない、極限的なシンプルさが特徴である。なのに、今回の公演では、これでもかと小道具が登場したり、音響効果を用いたボケを多用したり。ここ数回のガチンコ演劇志向とは異なり、とてもバラエティに富んだ演出が施されていた。その内容も、ここ数年の中では、最も「コントらしいコント」を演じていたように思う。中でも、コントの中で「スターバックス」というリアルな生活感溢れる単語を提示してきたのには、かなり驚いた。ラーメンズのコントに実在する名称が言葉として登場しているのは何度か観たことがあったが、今回の様に、その名称が実際にシチュエーションとして登場し、しかもあるあるネタとして昇華するコントは初めて観た。

前回の公演『TEXT』が、あまりにも素晴らしすぎたために、今回の公演にはそれほど期待していなかった、もとい、『TEXT』ほどの世界を構築することは出来ないだろうと高を括っていたのだが……完全に、してやられた。今回の公演『Tower』は、これまでラーメンズが培ってきた演劇人としての世界観やロジックを薄め、改めて「ラーメンズらしいコントとは、何だ?」という設問を自らに叩きつけていた様な、そんな印象を受けた。『TEXT』で一つの最高潮に達したラーメンズのコント。今回の『Tower』は、そんな彼らの再出発を意味する公演だったのかもしれない。

開始からおよそ二時間後。二度のアンコールの後に、公演は終了した。片桐仁直筆のアンケート用紙に筆を入れつつ、再び物販に並ぶ。エンドトークで、片桐が「自分の著にはサインを入れている」という旨の発言をしていたからである。姉が『おしえて何故ならしりたがりだから』、姉と妹が一冊ずつ『粘土道 完全版』を購入していたので、僕は『ラーメンズ片桐仁のガンプラ戦士ジンダム』を買った。表紙の片隅に、確かにサインがある。この小さなサインのために、1,700円を払うのだ。いやいや、値段は関係無い。こういうのは記念なのだ。購入後、ちょっと開いて眺めてみる。うーん……分からん(苦笑)。二時間ほど待たせて、ちょっとだけ不機嫌だった父の運転する車で、我々は帰路に着いた。帰宅時刻、なんと二十三時。思えば、あっという間の出来事だった。シアワセな時間とは、得てしてそういうものである。

次の公演がいつになるのか、また高松で公演してくれるのか(今回のライブが初の高松公演だったとのこと)、非常に気になるところ。気になるところではあるが、とにもかくにも疲れた。これは、長距離移動で疲れたということではない。ただ純粋に、笑い疲れたのである。かなり笑った。ラーメンズでこんなに笑ったのは、ちょっと久しぶりの様な気がする。感心の笑いじゃなくて、下らなさの笑い。この公演が映像化される日が、とにかく楽しみである。また笑うぞ!

(一部、加筆修正しますた)
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テレビでの露出の少ないラーメンズファンとは、家族揃ってお笑い好きなんですね!?

いえ、お笑い好きなのは僕だけです。家族は、単なるラーオタです。
ラーメンズ以外の芸人さんも薦めているんですけどね。どうもハマらないようで。
ただ、この前COWCOWにちょっと食いついていました。むー。

地方の人間にとってのライブ

菅家さんに、ライブ体験がこれまで無かったというのが意外でした。
私も地方に住んでいるので、ライブ体験はほとんどありません。
過去私にとってお笑いは、テレビで見るしかなかったわけです。
今でも、気になる人全部を見に行くことは不可能なわけで、「お笑いはライブで観るのが1番」というような話を聞いても、素直にうなずけない自分がいます。
ライブが素晴らしいことは体験して分かっているんですが、菅家さんはどういうスタンスでいますか?
それではまた。

> ライブ体験
そりゃまあ、やっぱりライブで芸人さんを観るのが最高ですよね。演者と観客で作り上げる空気って、ライブビデオでは実感できない楽しさがありますし。あればっかりは、ライブビデオでは体験できませんな。

ただ、ライブは一度きりという寂しさがあるので、それがどうもなあ…というのが。いやいや、それもライブの醍醐味ではあるんですけどね。

はじめまして

はじめまして。しぇーらです。ラーメンズの高松公演を見に行かれたということで。。。私も、9日に行っていました。ラーメンズの舞台を見るのは初めてでした。
物販…列に並んだのですが、もう一歩で「買える!」という時に気付きました、というか随分前から気付いていたのです。「欲しいものない…」大抵、歌手などのライブに行けば気分が盛り上がって買ってしまうのですが、あんなに好きなラーメンズのいわゆる「グッズ」にはなぜか興味が持てなかったのがとても自分でも不思議でした。
内容については、菅家さんの仰るとおりTEXTを抜けるのか?と私も思っていました。でも、まったくTEXTとは違ったラーメンズを出してきましたね。
私、ラーメンズに憧れていますが、その前にお笑いが好きなので、こう、お笑い批評などにすぐ熱くってしまう方です。でも、なかなか熱く語れる場が無い…というのが実際で…残念なことです。
私の話ばかりですみません。また、ここに来させてもらいますね!

> 物販
アレじゃないですかね。御自身の中で、ラーメンズという存在自体を求めているのか、もしくはラーメンズのネタだけを求めているのか、という違いじゃないですかね。たぶんですけど。

> TEXT
個人的にはもう、本当に『TEXT』は完璧だという認識を持っていたので、どう来るのか、どう来るつもりなのかドキドキしていましたが…また上手くすり抜けてきましたよね、あれは。

> また、ここに来させてもらいますね!
いつでもでうぞ。

No title

こんにちは(*^_^*)

ラーメンズファン渋いっすね(笑)
結構嫌いじゃないですYO-

一番好きなの
千葉 滋賀 佐賀 いばーらぎー
っての。。
最高ですよね!!

No title

『日本語学校 イタリア編』でしょうか。懐かしいですね。
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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