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『ウルグアイから来た男~ネタツアー~』

ウルグアイから来た男~ネタツアー~ [DVD]ウルグアイから来た男~ネタツアー~ [DVD]
(2009/06/24)
PLAN9

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お笑いコンビというのは、単なる足し算の関係ではない。一人と一人を合わせて、二人分の力が発揮できるということではないのだ。時には三人、時には四人、ひょっとしたら十人分の力を発揮することだってある。もちろん、逆も然りだ。一人と一人を合わせても、二人分の力にしか満たないことだって、ざらにある。それどころか一人分、下手すれば一人分にも満たないほどしか実力を発揮できないということすらありうる。ここで言う一人分がどんくらいなのかは、あんまり深く考えないように。雰囲気だから。

これは当然のことながら、引き算にも応用できる話でもある。三人だったユニットから一人が脱退して、残された二人で活動するとなったとき、彼らの実力は単純に三人マイナス一人イコール二人とはならない。その一人が抜けてしまうことで、お笑い芸人として大きく飛躍してしまうことだってあるのだ。例えば、モンスターエンジンなどがその例に該当する。彼らはかつて“にのうらご”というトリオで活動していたが、後にメンバーの一人が脱退。モンスターエンジンというコンビとしての活動を開始して、すぐに「神々の遊び」で大ヒットしてしまった。……とはいえ、これはあくまでも特例で、やはりこれまで活動をともにしていたメンバーが離れてしまうことは、マイナスとなってしまうことの方が多いようである。

分かりやすい例でいうと、カンカラという時代劇コントユニットがそうだ。彼らはもともと五人で活動していたが、後に紅一点が結婚して脱退し、更にもう一人が時代劇ドラマへのレギュラー出演が決定して脱退、現在はトリオとして活動している。現在のカンカラも、五人だった頃と同じスタイルのネタを作り続けており、そのクオリティは決して落ちていない。が、やはり五人だった頃のゴチャゴチャとしたドタバタ劇の要素は失われてしまっていて、当時ほどの面白みは生み出せていないと言わざるを得ない。五人マイナス二人イコール三人とはならなかったのである。もちろん、彼らがその穴を後々埋めていくことになる可能性も否めないが。

昨年二月、ザ・プラン9の初期からのメンバーであり、主に舞台の演出を担当していた鈴木つかさがユニットからの脱退を表明した。メンバーとの方向性の違いが脱退の主な理由だそうだ。なにやらミュージシャンみたいな理由である。現在はピン芸人として、また演出家としても活動しているらしい。今後の彼の活躍に期待しよう。まあ、それはそうとして……鈴木の脱退によって、ザ・プラン9は五人組マイナス一人イコール四人組のユニットとなった。そして今作『ウルグアイから来た男 ~ネタツアー~』は、ザ・プラン9が四人組になって初めてのコントライブである。メンバーが一人減ったことによって、彼らの笑いに如何なる変化が生じたのか。

これまでに行われたザ・プラン9のコントライブは、過去の公演に登場したキャラクターを使い回すことが通例となっていた。それは一種のファンサービスである様にも見えたが、一方で自らに対する甘えとなっていたのではないか、とも思えなくもなかった。そして、これはコント自体にも言えることだった。去年のライブで使用された手法を、そのまま今年のライブにも応用する……要するに、これまでザ・プラン9のコントライブは、本公演のサブ的な存在になってしまっていたのだ。

しかし、今回の公演は違った。過去の公演に登場しているキャラクターも登場しなければ、過去のコントライブで使用されたシチュエーションも一切使わない。ほぼ新作ばかりを取りそろえた、オリジナルコントライブを展開していたのである。また、収録されているコントを見てみると、ヤナギブソン演じる座長にバレないように脚本をカンニングする三人があっちこっちに配置したカンニングペーパーが巻き起こす混乱芝居『ザ・カンニング』、つまらない台本を笑えるコントへと味付けしていく過程を描いた『コントの味付け』、落ち着いたイメージのある浅越ゴエが海パン一丁のまま全力ではしゃぎ回る暴走コント『アテンションプリーズ』など、シンプルなシチュエーションと分かりやすい笑いが構築されているコントが多かった。意識的なのか、それとも無意識的なのかは分からないが、彼らにとって今作でのコントは再スタートを意味していることは間違いない。全てのコントのツッコミ役がヤナギブソンだったのも、恐らく一番ツッコミに安定感があるのがヤナギブソンだったからだろう(過去の公演では、各コントのツッコミ役は各メンバーに振り分けられていた)。

鈴木つかさが脱退したことは、彼らにとってプラスになるのか、それともマイナスになるのか。現時点では、まだまだハッキリしないとしか言えない。ただ、鈴木つかさが抜けたという事実を確かに受け止め、ユニットとして新しいスタートを踏み出している彼らに、暗い明日が来るようには思えない……と、キレイにまとめようと思ったのだが、少しだけ引っかかった部分があったので、そこに少し触れておこうと思う。

その引っかかった部分というのは、公演の最後に披露された漫才だ。ヤナギブソンがホテルのフロント係になりたいと言い、そこからコントが始まる漫才コントなのだが、どうもベタな笑いの割合が多く、やや物足りなさを感じたのである。もちろん、ザ・プラン9が漫才師としても再スタートを切っているということは重々承知しているつもりなのだが、コントの達者さを観た後だと、どうも物足りなさが強まってしまった。ただでさえ、五人から四人にメンバーが減ってしまったことで、見た目の重厚感が弱まってしまったのに、漫才自体も物足りないというのは良くない。元来、コント師として活動しているザ・プラン9に、漫才師としての才能を求めるのは随分と贅沢な話と言えるのかもしれないが……。


・本編(107分)
『オープニング』『クイズ』『ザ・カンニング』『たこすかしの詩』『アテンションプリーズ』『ウルグアイから来た男』『漫才』

・特典映像(11分)
「こんにちわゴエちゃん」「答案用紙」
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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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