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『ラバーガール ソロライブ 「さよならインドの空に」』

ラバーガール ソロライブ 「さよならインドの空に」 [DVD]ラバーガール ソロライブ 「さよならインドの空に」 [DVD]
(2009/07/08)
ラバーガール

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ラバーガールのコントというと、一般的に(ラバーガールのコントを知っている人が果たして一般なのかどうかは分からないが)大水と飛永の価値観がぶつかり合うコントの印象が強いのではないだろうか。とりわけ、ごく当たり前の価値観を持った飛永がいる店舗に、客として大水が来店し、その傍若無人ともいえる価値観を持って、飛永の価値観を侵食していくコントは、彼らの最も得意とするシチュエーションとして知られている。

このシチュエーションでのコントは、確かに面白い。大水のムチャクチャな価値観も面白いし(たまに的を射ていることがあるのも面白い)、そのムチャクチャな価値観に大人な態度で臨もうとする飛永の冷静さも面白い。しかし、いくら面白かったとしても、いつも似たようなシチュエーションのコントばかり披露していては、そういうコントしか出来ないコンビだというイメージが定着してしまう可能性がある。実際のところ、彼らが『爆笑オンエアバトル』でそういったコントばかりを披露していた頃、僕はそういう印象を受けた。「面白いけれど、こればっかりじゃ飽きられちゃうんじゃない?」と。なんともエラソーな視聴者である。

ところが、そのイメージは彼らのソロライブを見て、一気に崩れた。テレビ収録などでは安定感のあるシチュエーションコントを披露していた彼らが、ソロライブでは実に多種多様なスタイルのコントを披露していたのである。お笑い芸人が単独ライブで自分のやりたいネタを披露するということは、ごく当たり前のこととして行われているが、ラバーガールのソロライブはその比ではない。時には過剰な暴力に訴え、時にはナンセンスな展開に全てを投げ出してしまう。日ごろは綿密に笑いを獲りに行くラバーガールにとって、ソロライブとはまさに独壇場だったのである。ただ一方で、彼ら自身が、その独壇場を持て余しているようにも感じられることもあった。ソロライブという特別な場で、彼らがやりたいコント。その思想がまだ、彼らの中で固まっていないようなところがあったのだ。少なくとも、昨年のソロライブまでは。

2009年4月に行われたソロライブ『さよならインドの空に』は、これまでのラバーガールソロライブとは違った空気を醸し出していた。そこでも彼らは、過去のソロライブと同様に、自由で気ままなスタイルの笑いを構築していたのだが、その完成度が各段に上がっていたのである。覚醒した、とでも言うのだろうか。これまでの独壇場とは明らかに違ったライブが、そこにはあった。

過去のソロライブと、今回のソロライブ。その最たる違いは、そこで披露されているコントの統一感にあった。先にも書いたように、ラバーガールのソロライブは様々なスタイルの笑いを構築している、いわば彼らにとっての独壇場ともいえるものだった。が、今回のソロライブでは、その殆どのコントに彼らの最大の武器である「価値観のぶつかり合い」が含まれていた。そうすることによって、ソロライブ全体の方向性が定まり、よりライブの空気が心地良いものへと変わっていったのである。

もちろん、先でも書いたように、ただ「価値観のぶつかり合い」ばかりを描いていては、ワンパターンで観客も飽きてしまう。そこでラバーガールは、それを実に様々なシチュエーションで描くことで、観客にワンパターンだと感じさせないように工夫を凝らしたのである。例えば、マニュアル通りの進行をするガイドと客のやりとりを描いた『魔物の館ミステリーツアー』、オーソドックスなラバーガールコントを進展させた『結婚相談所』、同じ日に誕生日を迎えた二人が互いを祝い合う『誕生日』など……いずれも「価値観のぶつかり合い」を描いているが、まったく違ったコントとして存在していた。これはつまり、彼らが自身のスタイルを徹底的に練り込むことを決意したということを意味している……のかもしれない。

第二回ソロライブ『ブラッシュバック・スピノーネイタリアーノ』では独壇場の様な舞台を構築し、第三回ソロライブ『メキシカンキャッシュボーイ』では粗野で攻撃的な舞台を演出し、今回のソロライブ『さよならインドの空に』でソロライブの在り方を発見したラバーガール。そのライブ全体の完成度は、確実に向上している。もしかしたらだが、来年のラバーガールソロライブは、彼らにとって最高のライブになるだろう。今回のソロライブは、そう予見するに十二分な出来だった。……ただ、個人的には、まったく中身の無い会話を延々と繰り返していくカッコツケコント『バスケ』が最も面白いと感じた。ああいうグダグダした感じのコントも、並行して作り続けてくれると、とっても嬉しい。


・本編(72分)
『ファッションセンス』「オープニング」『魔物の館ミステリーツアー』『旧友』「CM」『バスケ』『結婚相談所』『誕生日』『観せたいDVD』「エンディング」『ファッションセンス2』「ラバーガールDVD告知」

・特典映像(15分)
「検証 大水は飛永の事をどれだけ知っているのか?」「柔術」

・ラバーガールによる全編ネタ解説副音声
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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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