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『ベストスマイル』

ベストスマイル [DVD]ベストスマイル [DVD]
(2009/08/26)
スマイル

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誰が言ったかは忘れてしまったが、こんな言葉がある。「好きの反対は嫌いではない。好きの反対は、無関心である」。確かに、その通りだ。特定の対象を極度に嫌っている人というのは、その対象のネガティブな面を叩くために、ファン以上にその対象について詳しいということがある。そういえば、嫌い嫌いも好きのうち、という言い回しもある。何かを嫌うということは、その何かに興味があると言っても過言ではないのである。……というわけで、好きの反対に位置しているのは、嫌いではなく無関心。誰が言ったかは忘れてしまったが、実に的を射た言葉である。

スマイルというお笑いコンビがいる。幼なじみである瀬戸洋祐と仲村吉高(現・ウーイェイよしたか)によって、2003年に結成された。得意としている芸風は、漫才。ウーイェイよしたかのハイテンションなキャラクターが繰り出すボケと、それをテンパりながら制止しようとする瀬戸のツッコミによる掛け合いが高く評価されており、2008年にはABCお笑い新人グランプリ審査員特別賞を受賞している。若手芸人の登竜門的番組「爆笑オンエアバトル」でも、オーバー500(審査員百人中九十人以上が支持)を経験したことのある。まごうことなく、実力派若手漫才師の一組であると言えるだろう。

そんな彼らのことを、僕は好きの反対である。つまり、無関心。まあ、まったく関心がないわけではないけれど、興味はそれほどない。テレビに出ていても、きっとそんなに見つめることはない。「ああ、出てるな」程度の感想で終わるだろう。で、漫才か何かやっていたら、とりあえず眺めてはみるけれど、途中で飽きてしまって、テキトーなマンガ本を片手に鑑賞ということになるだろう。たぶん。

それなのに、気付けば僕の手元には、何故かスマイルのベストネタDVD『ベストスマイル』があった。いや、別に湧いて出てきたわけではない。然るべき手続きを取り、然るべき金額を支払い、今手元にあるのである。問題なのは、どうして僕がこれを買ってしまったのかという、理由とプロセスだ。これがどうにも、分からない。気がつけば、彼らのDVDを『オオサカファンタスティックベストコンサート(中山功太)』や『ラストベストロッチ』と一緒に、カゴの中に突っ込んでいたのである。で、その現物が、こうして手元にあるのだ。あるものを放置するわけにはいかない。再生して、内容を確認する必要がある。いや、必要はないかもしれないが、そうすべきだろう。購入したからには、それを観る義務があるのである、という自論が僕にはあるのだ。

『ベストスマイル』には、八本の漫才が収録されている。タイトルに“ベスト”とあるように、過去に観たことのあるネタが多い。一本目で披露されている「マネージャー」のネタが、既に懐かしい。初見時はキングコングを模倣したかのような畳み掛けの展開に白けたものだが、今は畳み掛けが自然に観られるようになった。彼らなりにネタを租借し、消化した結果なのだろう。その後も、安定したクオリティの漫才が続く。面白い。確実に、面白い。だけども、今作を観終わった後の僕も、結局彼らに興味を持つことはなかった。どうして僕はスマイルに興味を持てないのか。その原因は恐らく、ウーイェイよしたかというキャラクターにあるのだろう。

ウーイェイよしたかは、アホなキャラクターである。あまり頭が良くない、天然な人ということになっている。イメージとしては、キャイ~ンのウド鈴木に近いと言えるだろう。ただ、そんなアホなイメージに対して、ウーイェイよしたかは非常に真っ当なボケを吐き出している。アホキャラな彼でなくても成立するような、とてもマトモなボケをするのである。つまり、スマイルの漫才において、ウーイェイよしたかのアホキャラは、それほど必然ではないのだ。このズレが、今のスマイルをイマイチ爆発させられていない理由なのではないか、と僕は思うのである。

作品自体は、非常にしっかりと作り上げられている印象を受けた。漫才は捨てネタ無しのまさに傑作選だったし、コントはファンサービス満点だったし(『もしも…』だけだけど)、幕間の映像も若手ならではの身体を張りまくったバカ映像だったし……スマイルのことが好きな人なら、文句無しに楽しめるんじゃないかと思う。でも、個人的には、もう一皮剥けてもらいたい。もう一皮剥けたら、きっともっと面白いことになる。現在のスタイルを改変するのは難しいかもしれないが、そこからの進化に期待したいと思う。

……というか、無関心じゃないな。うん。


・本編(107分)
『漫才「マネージャー」』「ヨシリンピック1」『漫才「デート」』「瀬戸ドキュメント1」『漫才「時代劇」』「ヨシオが選ぶよしたかギャグランキング」『漫才「早口言葉」』「瀬戸ドキュメント2」『コント「風呂上がり」』「ヨシリンピック2」『漫才「火事」』「瀬戸ドキュメント3」『漫才「ジャングル」』「よしたかドキュメント」『漫才「居酒屋」』「ヨシリンピック3」『コント「もしも…」』「ウーイェイよしたかドッキリ」『漫才「刑事」』

・特典映像(10分)
「コント「引っ越し」」「瀬戸洋祐 27歳の決断」
「ウーイェイよしたかCG(ウーイェイシアター)」
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ぼくも同意見です。

あと一歩なんですよね、スマイルって。ただ漫才のテンポの良さには個人的に結構関心しちゃったりしてます(笑)

No title

なんだかんだ書いてますが、彼らは漫才師としての才能がちゃんとあるコンビなんですよね。面白いネタも書けるし、ネタのテンポもいい。ただ、ウーイェイよしたか氏のキャラクターだけが、どうも引っかかってしまう。

で、今ちょっと思ったんですが、ひょっとしたら彼らが行きつく先って「コメディNo.1」なのではないか、と。アホと言われても、漫才ではちゃんとボケる坂田師匠の姿は、まさにウーイェイよしたか氏の現状と同じなのでは…って、なんか今のタイミングでコメディNo.1と似てると書くのは、なんだか不吉ですね(笑)
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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