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「サックス」の反芻。

汚されたサックス(笑現の理由)
 例えば、笑いを取るために何かを壊すと言う行為は、一方で視聴者を引かせる危険性を孕んでいる。つまり、当たっても大きいが、外れても大きいということだ。だから、何かを壊すという演出は、慎重に行われる必要がある。確実に笑えるようにしなくてはならない。そして、先週の『めちゃイケ』は、見事に失敗してしまったわけである。

 武田真治のサックスが破壊された放送から、早一週間が経過した。僕の中での怒りは、くだんの記事を掲載したことで随分と昇華されたが、世間の怒りはまだまだ収まりきれていないようで、未だに記事に対する反響は少なくない。……それだけ、強烈な事件だったということだろうか。試しに「めちゃイケ サックス」でGoogle検索をかけると、かなりの数の関連記事が見受けられた。その多くが批判的で、かつ怒りに満ちた記事だった。「抗議のメールを送った」というコメントも少なくなかった。

 今にして反芻するに、あの「サックス破壊」だけでは、ここまで盛り上がらなかったのではないか、と思う。じゃあ、どうして盛り上がったのか。その原因は……「武田の涙を放送したこと」だったのではないだろうか。

 サックスを破壊すること自体は、まだ不謹慎の域を出ないのだ。元来、バラエティ番組は何かを壊すことで笑いにしてきた。今回は、たまたまその矛先が“サックス”になっただけとも、言えなくもない。それで視聴者の怒りを買ってしまったのであれば、それはまだ「演出不足」で片付けられるのではないか、と。それこそ、車を壊したり、ジーパンを引きちぎったりすることだって笑いになるわけだから。それを笑えないようにしてしまったのは、「演出不足」以外の何物でもない。

 ただ、そのサックスを所有していたという武田真治が泣いている場面を映し、笑いにしようとしたこと。これが良くなかった。こういう笑いで最も重要なのは、「どれだけドライな場を演出できるか」というところにある。そういう行為を許される雰囲気にして、上手く笑いに繋げなくてはならない。でも、武田の涙はドライの反対、ウェットな演出だ。ここで武田が笑い飛ばしてでもいれば、まだ救われていた。しかし、武田は泣いてしまった。演技か真実かは分からないが、泣いた場面を放送して、笑いにしようとしてしまった。

 僕は、それこそ「現在の『めちゃイケ』が異常である」ということの確固たる証明なのではないか、と思うのだ。だって、冷静に考えてみれば、サックスを壊したことが笑えると思ったことよりも、武田が泣いた場面が笑えると思ったことの方が、よっぽど異常じゃないか? いや、勿論、そういう嘲りの笑いだって有り得ないわけではないけれど、それをゴールデンタイムでやってしまっているところに、疑問を覚える。

 ひょっとしたら、『めちゃイケ』は未だに「バラエティ番組の最若手!」みたいなノリでやっているつもりなのではないだろうか。だから、ああいうノリでも、まだ許されると思っているのではないか? だとしたら、とんだ勘違いだ。今の『めちゃイケ』は、もはや「若気の至り」では片付けられないほどの番組になってしまっている。もう12年もやってるんだから、そのくらい自覚すべきだ。ゴールデンタイムで放送できること・できないことの判断だって、自主的に出来るはずだ。それが出来なくなったという意味で、今の『めちゃイケ』は腐っていると言わざるを得ない。

 ただ、今回の件について、「これで笑える人の気が知れない」とコメントしている人たちには、同意できない。表現する側はその表現次第で批判されるべきだが、受け入れる側が批判される言われはない。いつぞやのスパルタ教育の時にも書いたような気がするが、「これを笑える」と思う人がいる以上、「これは笑える」と思う人がいるのは、当然のことなのだ。大勢の人に不快感を与えた『めちゃイケ』のやったこと自体は攻められるべきだが、それを楽しんだ人を否定する必要は微塵もないだろう。
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今週はその反動なのか、往年のスターどっきりマル秘報告をベースに、やらせドッキリだと暗に告知した後、どれだけひっかかった振りが出来るかという、若いとは真逆の物凄く古臭い匂いがした企画

企画そのものよりも、一時期ガリガリに痩せていた高橋真麻アナが健康的な体重に戻って、少し安堵した自分がw
そういや佐野がいないだけでなく、今はキクちゃんも今育児休暇中なんだよなあ・・・

山本がいなくなってもすぐに慣れたのに、あの2人のアナがいないと、こうも違和感を感じるとは

ああ、その企画ちょっとだけ見ました。『めちゃイケ』にしては、なんだか無難な企画だったので、物足りなかったですが。…ん? なんだ、この矛盾。

僕だけなのかもしれませんが、ひょっとしたら今の『めちゃイケ』で求められていることって、「常に新鮮で、ほどほどに過激」なのかもしれません。贅沢だなあ、おい。

それにしても、確かに古臭い企画ではありましたね(あえて古臭さを演出していたようですが)。どんな企画会議をやっているんでしょうか。謎です。

笑えない…

初めて書き込みします。

サックスを壊して笑える人の気がしれないと私は思います。
また、人のとても大事なものを壊しても笑いをとれれば良いのかな?と思います。
武田さんが泣こうが泣くまいが、恐ろしくひどい事を笑いに使っていると思います。

そんな暗くていやな笑いを堂々とゴールデンタイムに流す、最近のテレビに本当に嫌悪を感じます。

>サックスを壊して笑える人の気がしれないと私は思います。
いや、これはもう仕方ないんですよ。笑っている人にしてみれば、ただ提示されたものを受け入れているだけですから。で、それを批判するということは、なんか違うと思うんです。僕は。

>また、人のとても大事なものを壊しても笑いをとれれば良いのかな?と思います。
>武田さんが泣こうが泣くまいが、恐ろしくひどい事を笑いに使っていると思います。
いや、ですからね。その「人のとても大事なもの」を壊してしまったということを強調してしまった「武田真治の涙」という演出は間違いだったのではないか、と言いたいんですよ。もしもあの場面で、武田が泣く場面を放送せず、代わりに武田が手でも叩きながら爆笑していたら、まだ救われたのではないかと。どっちにしても、今のゴールデンタイムで放送するにはしんどい内容だとは思いますけどねえ。

>そんな暗くていやな笑いを堂々とゴールデンタイムに流す、最近のテレビに本当に嫌悪を感じます。
まあ、最近のテレビというか、最近の『めちゃイケ』の傾向でしょうね。最近のテレビは、むしろ当たり障りのないバラエティ番組が多い印象が…って、これも印象論ですが。24時間全地上波テレビ局の番組を確認していない僕には、最近のテレビを語る資格が無いのです。

レスありがとうございます

レスありがとうございます。
笑っている人がいる事は仕方ない事ですが、仕方ないから批判されるいわれはないということではないと思います。この番組にかかわらず、何かをみて、何も考えずにただ受け入れるだけというのはどうかと思います。子供はしょうがないかもしれませんけど・・・
これを子供と一緒に大人が見て笑っていたらぞっとします。
楽器はただの物ではない事が多いのです。どんなに安い楽器も、自分の子供のように大事にされていることもあるんです。まして、この楽器は年代物の名器といわれるもの。この楽器の作り手だって、人生かけて、心血そそいで丹誠込めて作っているはずなんです。
この楽器を吹いて来た人達だって、この楽器を育てる為に大事に大事にしてきたはずなんですよ。
たちの悪い事にこの番組では「夏の間だけ」なんて言ってますが、おそらく直せません。形だけもとに戻ってもこの楽器を形づくってきたものはもとには戻らないし、楽器として再起不能かもしれません。
そのすべてを理解して欲しいとは言いませんが、名器を作った人にも大変無礼なことをしているというくらい、道徳として想像できないなんて、非難されて当然ではないでしょうか?
これは、武田さんが泣かないで笑ったらましだったかという演出の問題ではなく、企画自体の問題だと思います。道徳心と教養がまったくない企画と思います。人の心を壊します。演出以前の問題だと思います。
これをゴールデンタイムに流すという事は、日本人はこういう教養しか持っていませんと、全国はもとより諸外国にアピールする事でもあると思います。
最近のテレビを24時間みているわけではありませんが、たびたび人を笑い者にしてウケを狙う番組を見ますよ。朝のワイドショー番組なんかではほぼ毎朝見かけます・・・。
菅谷さんのブログなのに長々とコメントすみません。この番組に怒りが強すぎて、菅谷さんのお考えにどうしてもコメントしたくなりました。
でも、これをきっかけに菅谷さんのブログに出会えて良かったです。他の記事も読ませていただきましたが、面白いです。いくつか拍手させていただきました。これからも更新を楽しみにしています。

心中お察しいたします。確かに、その通りです。今回の件において、他者が所持する“楽器”という復元不可能な性質のものを、笑いを取るために破壊するという行為を笑うことは、あまりに歪んでいると言えるやもしれません。

しかし、そういった不健全な笑いには、同じ類いの笑いがそれまでに認められていたという事実を確認する必要もあります。過去、テレビは様々な歪んだ笑いを提供してきました。ある時は車を破壊し、またある時は私服を汚し、自宅に押し入って私物を弄ぶ…そういった歪んだ笑いの歴史の上に、今回の件があるのです。

もし、今回の件で笑った人たちを攻めるのであれば、これまでそういった類いの笑いを認めてきた私たちもまた、攻められるべきといえるのではないでしょうか? …って、なんか宗教臭くなってきましたが。

朝のワイドショーが放送されている時間には、会社でダラダラしているので、詳しくは存じ上げませんが、それはもはや「ワイドショー=そういうもの」ということになっているのではないか、と思われます。そこに不快感を覚えるというのであれば、電源を切るしかないのやもしれません。

最後に拍手、感謝します。何気にやる気が出るんです。タダで運営しているブログに、やる気もクソも無い気がしないでもないですが。感謝です。

すみません…

今気がつきました!菅家さんのお名前を私間違えていました!!

あぁ~!穴があったら入りたい…大変失礼いたしました!

まったく怒っているとろくなことありません…。初コメで返信していただいてこの失礼…本当にすみませんでした…

(自分含め)よくやられるので、あまり気にしないで下さい。では。

救われました

ググって参りました。私は趣味でサックスを吹きます。

単純に「サックス(物)の破壊」だけに
非難が集中している様に疑問を持ち続けていました。

「演出不足」の見解に納得です。
何故だか救われた気がします。

せっかく壊すんですからねえ。
どうせなら、もっと無茶苦茶にやってほしかったですねえ。
(出来れば、この前の27時間テレビくらい)

何か知らんですが、どうもです<何故だか救われた
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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