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『ハイキングウォーキング単独ライブ「根斗百烈拳」』

ハイキングウォーキング単独ライブ 根斗百烈拳 [DVD]ハイキングウォーキング単独ライブ 根斗百烈拳 [DVD]
(2009/11/04)
ハイキングウォーキング

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先日、何気無しに「爆笑レッドカーペット」を見ていると、ハイキングウォーキングが“漫才”を披露していた。流れてきたセンターマイクと、カッチリとしたスーツを着こなせていない鈴木Q太郎の姿を見たときは、てっきり漫才という体裁のコントを披露するものだと思っていたのだが、最後まで漫才のカタチを崩すことなく、彼らはネタをやりきっていた。

コントの出来る芸人が漫才も出来るというのはよくある話だが、ハイキングウォーキングの場合は少し事情が違う。というのも、ハイキングウォーキングは根っからのコント師だからだ。実際、「爆笑オンエアバトル」の舞台でも、「爆笑レッドカーペット」の舞台でも、彼らは必ずコントを披露してきた。それなのに、その日の彼らは漫才を見せた。ひょっとしたら、これから先も漫才を披露し続けていくつもりなのかもしれない。

「爆笑レッドカーペット」において、ハイキングウォーキングはひたすら“分かりやすい笑い”のスタイルを貫き続けてきた。番組出演当初に披露し続けていた『Mr.スズキックスのスーパーイリュージョンショー』は、鈴木Q太郎扮するMr.スズキックスが、「ペットボトルのコーラを一気に飲み干して、ゲップをせずに山手線の駅名を全部言い切る」等の宴会芸に挑戦するも必ず失敗して、それを横で見ている相方の松田洋昌がツッコミを入れ続けるという分かりやすい“お約束の笑い”だったし、それ以後のシチュエーションコントのスタイルだって、ザ・ドリフターズ全盛期から日本人の心に深く根付いている、分かりやすいコントの基本中の基本だ。漫才もまた同じ。センターマイクを通して、複数の人間が笑いを語り合うという八十年来の完成されたフォーマットは、もはや説明の余地もない。

そうして、分かりやすい笑いを演じ続けてきたハイキングウォーキング。しかし、それらのネタはあくまで、彼らが自らを“分かりやすい笑い”というフィルターに通して作り出してきたネタだ。彼らが一般のステージで披露しているものは、それらのネタとはまた少し違ったものになっている。

今作『根斗百烈拳』では、ハイキングウォーキングの“分かりやすい笑い”というフィルターを通していないコントが三十本収録されている(更に特典映像には十本のコントを収録)。といっても、別に分かりにくい笑いが披露されていることはない。寿司屋をスターバックス風にしてみた『SUSHIYA』、Q太郎演じる父親がアイドルを目指す『パラダイス☆父さん』、料理の作り方の分からない二人が料理教室を行う『素人お料理教室』、二つの昔話を合体させる『ミクスチャー紙芝居』、何度も同じ部屋の中で目覚めてしまう奇妙な現象を描いた『ループ・ザ・ルーム』など、とてもシンプルな笑いが構築されている。

ただ、そのシンプルさは「爆笑レッドカーペット」で披露されているような、観客に分かりやすく伝えるためのシンプルさではない。なんとなくの思いつきで生み出された小さな発想を、コントのカタチになるまで押し広げたような、そんなシンプルさだ。ホッと生んで、ハッと育てるような(雰囲気で表現)。その為か、今作で披露されているコントには、ハイキングウォーキングならではの持ち味と言えるものが、あまり表現されていない。スタイルすら統一されておらず、Q太郎がボケを演じることもあれば、松田がボケを演じることもあるし、どちらもボケを演じることすらある。実はハイキングウォーキングは、「爆笑レッドカーペット」での印象とは違い、非常に不定形で無個性なコントを生み出すコンビだったのである。

テレビでは個性的な笑いを生み出す一方で、舞台では無個性的な笑いを生み出す。これはつまり、彼らが自らのセールスポイントを理解して戦略を練って、今の地位にあるということを意味しているのではないだろうか。自分のやりたいことをやって売れている才に満ちた芸人たちが増えている昨今の中、メジャーな手法で売り込んでいるハイキングウォーキング。こういう芸人が、意外と天下などを獲っちゃったりするものなのかもしれない。


・本編(115分)
『タイ古式マッサージ』『ニュース19』『SUSHIYA』『パラダイス☆父さん』『みにくいアヒルの子』『やたらとツッコむうっとうしい客』『12時20分頃』『マツペディア(Matsupedia)』『裁判』『余裕だなぁ!』『娘さんを僕に下さい!!』『素人お料理教室』『そこは決めろよ!』『ミクスチャー紙芝居』『機動戦士クライシンガー~うごめく星のまたたきはカオス~』『公園にて』『たいどう~~~~~!』『ループ・ザ・ルーム』『WISH~ねがい~』『103号室の出来事』『オソーメン様』『目撃情報』『しのび』『Hey!逃げろ!!』『松田』『エジプトの歩き方』『「コント○○」』『Yeah!捨てちゃおうぜ!!』『カタキ』『午前2時』

・特典映像(59分)
・撮り下ろしコント十本:『月刊 鈴木』『スズペディア(Suzupedia)』『靴がない!』『Hey!透明人間』『結婚スピーチ』『きゅうたろうお笑い塾』『患者』『出しちゃダメ!!』『絵画展』『シュール引越しセンター』
(ハイキングウォーキング自身による解説付)
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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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