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イワイガワ単独ライブ『オイルショック』

イワイガワ単独ライブ『オイルショック』 [DVD]イワイガワ単独ライブ『オイルショック』 [DVD]
(2010/02/17)
イワイガワ

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イワイガワのコントの強みは、他の芸人に真似が出来ないという点にある。いや、厳密に言うならば、岩井ジョニ男というキャラクターにしか出来ないというべきだろう。この男、単なるスーツの似合うチョビ髭の中年男性というイメージがあるが、そのキャラクターの真髄はより深淵にある。

通常、人間というのは、年齢を重ねるごとに、その人生の重みが全身から染み出してくるものだ。だから、年を取った人間の言葉というのは、それが正しいか正しくないかは関係なく、妙な説得力を持つ。それは芸の世界においても同様。しかし岩井は、そのビジュアルの通り、実年齢もそれなりに重ねられているということは間違いないのが、その年齢に見合った重みが、彼にはまったく感じられない。彼の存在はとにかく軽い。風が吹けば飛んでいくかの如く。

ただ、その軽さは、元来より岩井が持ち合わせていたものではない。事実、「爆笑オンエアバトル」に出演し始めた頃の岩井には、年相応の重みが感じられた(ちなみにイワイガワが同番組で初めてオンエアされたコントは、岩井が司会の音楽番組に井川が出演するというもの。当時の岩井はチョビ髭も生やしておらず、一見すると、ごく普通のダンディな中年だった)。しかし、イワイガワのコント台本がだんだんとナンセンスになっていくにつれ、岩井のキャラクターは軽くなっていく。つまり、岩井ジョニ男という中年のキャラクターは、イワイガワのコントとともに培われていったのである。

見た目は中年、しかし内面は軽率で自由奔放。そんな岩井ジョニ男のキャラクターは、イワイガワのコントには無くてはならない重要な存在だった。彼らが2009年11月に行った単独ライブ『オイルショック』の様子を収めた今作では、そんなイワイガワの本領が止め処無く発揮されている。酔っ払った日雇い労働者、息子にビデオレターを送る父親、徹底的に空気の読めないレポーター……岩井ジョニ男が演じる様々なキャラクターと、彼らに翻弄され続ける井川修司のギャップが生み出す、ナンセンスな笑いの数々は、まさにイワイガワにしか作りだすことの出来ない世界だった。

ただ一方で、岩井ジョニ男というキャラクターが邪魔になっているのではないか、と感じさせられるコントも見受けられた。そのコントとは、二人がヒーローショーに出演する予定のグリーンとイエローに扮し、楽屋裏で雑談を繰り広げる様子を描いたコント『COLOR』だ。ナンセンスな会話の面白さと、ところどころに散りばめられた伏線の美しさが印象的なこのコントにおいて、岩井のキャラクターは不必要な存在となっている。はっきり言ってしまうと、邪魔になっているのだ。恐らく、このコントに関しては、二人ともキャラクターの薄い芸人に演じさせた方が、ずっと面白く感じられるだろう。

イワイガワのコントにおいて、“岩井ジョニ男”というキャラクターは必要不可欠である。それはここ数年、彼らにとってプラスの方向に働いていた。しかし、この『COLOR』の様な、イワイガワのスタイルとは少し離れた方向性のコントの場合、それは圧倒的マイナスに働いてしまう。今後、ひょっとしたら、“岩井ジョニ男”というキャラクターは、イワイガワのコントにとって大きな障害になりうるのかもしれない。

今後、イワイガワはどのように変化していくのか。注目していきたい。


・本編(約84分)
「開演」「OIL SHOCK」「オープニング」「HERO」「LETTER」「RELAX」「SHORT SHORT(「生」「伝説」「告白」)」「COLOR」「SHOCK」「OIL SHOCK'S」「エンディング」「SONG ~「イワイガワのブルース」~(マキタスポーツ作詞・作曲)」

・特典映像(約25分)
「ROAD TO ONSEN」「緊急発表会見」
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プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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loxonin1000mg@yahoo.co.jp

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