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所ジョージ!『コケコッコゥ!! ~七色の声色~』

コケコッコゥ~七色の声色~コケコッコゥ~七色の声色~
(2010/03/03)
所ジョージ!!

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所ジョージの音楽を聴くようになって、気付けばもう十年が経過している。年月とは常に移ろいやすく、あっという間に流れていくものではあるが、それにしたって時間の経過が速い。それだけ薄ぼんやりとした人生を送っているということなのか、それとも誰もがこの程度の速度で人生を過ごしているということなのか……と、考え始めればキリがない。そうこうしている間にも、時間はどんどん流れていく。文字通り、刻一刻と。

中学生の時分に、僕は所ジョージの音楽と出会った。今はもう潰れてしまった中古のCDショップで、偶然手に取った所ジョージのシングル盤が、僕の心をガッチリと掴み、今でも放そうとしない。当時はまだマキシシングルが主流ではなかったから、当然8センチのシングル盤だ。その後、所さんはどういうわけか売れるわけのない二枚組シングルベストをリリースし、そのシングル盤も必要なくなったわけだけど、実物は今でも我が家にある。多分。売った覚えはないし、捨てた覚えもないので、きっと何処かにあるのだろう。探そうという気はさらさらないが。

その辺のどーたらこーたらは、とりあえず置いておこう。とにかく言っておきたいことは、僕は今でも所さんの音楽を愛して止まないし、これからもきっと彼の音楽を愛し続けていくことだろう、ということだ。彼が入れ歯を嵌めて、フガフガと歌っているCDをリリースしたとしても、僕はきっとそれを買うに違いない。懐に余裕さえあれば。

そんな所ジョージが、先日新しいアルバムをリリースした。その名も『コケコッコゥ!! ~七色の声色~』。なんともケッタイなタイトルだ。調べてみたところによると、このアルバムでは、所ジョージが七色の声色を駆使し、色々な楽曲を歌っているのだそうだ。……ケッタイにも程がある雰囲気を感じなくもない。また、聞いたところによると、あの伝説的雑誌『FAMOSO』の音楽版だと吹聴しているのだとか、なんとか。アルバムのジャケットを見ると、確かに『FAMOSO』の編集長であるビートたけし氏の写真が。どうやら、フザけた作品になっていることは、間違いないようだ。

で、実際に聴いてみたら、本当にフザけた作品になっていたので、ちょっと全曲レビューしてみることにした。所ジョージのアルバムを全曲レビューしたところで、誰が得をするのか。ただ、それに費やした労力と時間が無駄になって、僕が一人損をするだけなのではないか。……などと懸念したりもしちゃったのだが、某ネット販売サイトで今作について随分と薄甘ーく書いた感想文を読んで、気が変わった。ちゃんとレビューしてやろう、と。……なんで上から目線なんだ。
 

1.横顔
悪フザケの極地と言っても過言ではないCDのジャケット写真に対し、一曲目からド演歌である。知らない人なら驚くかもしれないが、実は所ジョージは演歌も作る。作れと言われていないのに、勝手に作る。困ったモンだ。しかもギャグではなく、かなりガチンコの演歌だ。ガチンコの演歌であるが故に、歌詞にしつこく登場する「海峡」の二文字が、妙に引っかかってくる。なんで海峡。確かに演歌というと、海峡のイメージはあるけどさ。なお、この曲では、所さんは八代亜紀の声色を使って熱唱している。なにやってんだ、八代。いや、あくまで声色なんだけど。

2.制御不能
所ジョージの曲ではお馴染みの、車に関する歌である。「ハイブリットエンジン」「インジェクション」と、車に関する単語がやたらと登場するが、要するにエコカーに対する批判ソングである。“充電してますの 表示に電気使い 頭の悪さで死んでゆく”という言い回しが、実に所さんらしい。この曲で所さんは、GO!GO!7188の声色を使っている。というか、編曲がGO!GO!7188なので、声色というか明らかに本人が参加している。せっかく声色云々の話になってるのに、編曲で名前出したら意味ネーじゃネーの。

3.モンゴル子守唄
『ラクダの商人』など、ワールドワイドな楽曲を暇つぶしに製作する所ジョージ、今回はモンゴルに目を付けた。モンゴルっぽい言葉を連ねて、モンゴリアンな歌にする。もちろん、歌のところどころには、モンゴル発祥のホーミーっぽい歌唱を披露。でも多分、それはホーミーじゃない。メロディと一緒になっているから、それなりに楽曲として成立しているような気にもなるが、歌詞だけ見ると明らかに頭が悪い。なお、この曲は所ジョージ本人の歌声が披露されているが、コーラスではビートたけしのモノと思われる声色が披露されている。世界の北野、意外とヒマな模様。

4.ダレダアMANのテーマ
謎のヒーロー、ダレダアMANのテーマソング。正体不明だが、とりあえず個人の権利を主張してみたり、その場のとっぱらいで満足しちゃったり、肩書き筋書きに重きをおかない人物らしい。で、さすらったり、月を越えたり、マシマロは関係なかったりする人物らしい。一体誰なんだろうなあ、ダレダアMAN(棒読み)。なお、この曲で所さんは……もう言わなくても分かると思うけど、奥田民生の声色で歌唱している。ユニコーンどした。

5.兄弟農地
親から農地を引き継いだ兄弟についての演歌。以前、所さんは農家向けの曲として『農家の唄』なるシングルをリリースし、大ヒットを試みたが、まったく売れずに途方に暮れた……というようなことを某番組で話していたが、どうやらまだまだ農家層は諦められない様子。なんだ、農家層って。ビンボー農家のリアルな現状を歌にしているのだが、かなり銭を稼いでいるハズの所さんが、どうしてこんなに生々しい歌詞を書けるのか。不思議で仕方がない。想像力が巧みなのか、それとも実は所さんはタレントではなく農民だったのか。どっちにしても、妙な才能である。ちなみに、この歌は本人の声で歌唱。も一つちなみに、『農家の唄』は物凄い名曲。

6.ニワトリは飛んでいかない
おそらく、アルバムタイトルの由来となっている楽曲。声色はGO!GO!7188。まだ付き合わされていたのか。所さんは過去に『洗濯脱水』というアルバムで「コンドコソ飛んでいく」という、あの某有名曲をあからさまにパクった曲を疲労していたが、あの曲の郷愁感がこの曲にもある。ただ、あっちはリストラされたサラリーマンで、こっちはニワトリだけど。曲の最後では、所さん自身による声で、品種改良に対する批判めいた台詞が。

7.正調鰹節
民謡。タイトル通りの歌詞。編曲は津軽三味線の山下靖喬氏。歌ってるのは……誰だ?

8.ひとまちがい
再び八代亜紀の声色で演歌。まだ帰っていなかったとは。『横顔』と同様、かなりガチンコの演歌。どうして八代亜紀の声色になると、徹底的にマジメになるんだろうか。他の曲でもマジメにやれよ。というか、フマジメな曲の方が好きなんだが。

9.娘に贈る唄
海援隊『母に捧げるバラード』を彷彿とさせる、結婚する娘に贈った唄。実際に贈ったかどうかは不明。所さんが身内を意識して歌った曲は、往々にして独自のセンチメンタリズムに溢れているのだが、この曲に関しても同様のことが言える。実際に娘を持つ父親などが、この曲を聴いたりなんかしてしまったりすると、うっかり泣いてしまったりするのではないだろうか。『制御不能』で、あれだけ毒づいていた人が、どうしてこういう歌も歌えるのか。いや、なんとなく分かるけども。男というのは不思議なもので、愚痴とロマンが同居する生き物なのである。……女も同じか。この曲では、所さんは地声で歌唱している。ま、この曲は、他の声色では歌えないだろうなあ。

10.邪魔にならない程度の僕で
モテない男が愛しい女性に思いを寄せている様を描いた、片思いラブソング。好きな気持ちはあるけれど、告白したらフラれてしまうのは分かっているから、心の中にちょっと僕がいてくれればいい……という、考えれば考えるほど切なくなってしまう曲。『娘に贈る唄』でも書いたが、所さんは男のセンチメンタリズムについて言葉にするのが尋常じゃなく巧い。“あの娘の心の中を そよ風ぐらい弱い 邪魔にならない程度の僕で”という歌詞の繊細さたるや! 所バラードの真骨頂と言ってもいいのではないだろうか。しかも、この曲において、所さんはトータス松本の声色を用いている。泣くよ、そりゃあ。

11.ガードレール
所さん、政治を語るの巻。ただ、語っているというよりは、愚痴っているという印象。“土から人の口に入れるものを作るんだ も少し金になってもいんじゃないかネ”と、これまた農家の気持ちを歌ってみせたり、“ガードレールの意味も分かるし 道路の意味も分かる だから聞いてんのはそれらをなぜ増やすかだ”と、車好きならではの感情を歌ってみせたり。やたらと明るい口調で歌っているけれど、内容はすっごくド批判ソング。キレイごとを許さない所さんの、ちょっとディープな部分がむき出しになった一曲だ。ちなみに、これ以降の曲は全て、所さん自身の声で歌唱されている。

12.5月6月末
雨模様ソング。何気に所さんは、雨について歌うことが多い。晴れよりも雨が好きな人なのだろうか。なにやら捻くれているような気がしないでもないが、気持ちは理解できる。そういえば、「“天気が悪い=雨”って誰が決めたんだ!」って怒っている漫画があったっけ。完全に余談だけど。変にラブソングにしようとせず、ただただ雨の風景を語っている曲が、とっても渋くて味がある。

13.素敵な言葉は愛にうまる
所さん、告白を歌う。はっきり言ってしまうと、小田和正の『言葉にできない』を所流に言葉にしてみた曲。この言葉選びが、とにかく巧い。“素敵な言葉があるはずなのに すてきな言葉は愛にうまる”。小田さんがあえて逃げ出した言葉を、こうも巧く表現してしまえるミュージシャンが、果たしてこの世にどれほど存在しているのだろうか! ……って、妙に盛り上がり過ぎているが。結構いるかもしれないので、自粛しよう。それにしても、徹底的に悪ノリで乗り切っちゃうのかと思ったら、まさかまさかのラブソングオチって。ミュージシャンだから当たり前なのかもしれないけれど、随分とニクい演出だぜ、トコージョ(そんな呼び方したことない)。

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非公開コメント

No title

「世界の北野、意外とヒマな模様。」
このフレーズに噴き出してしまいましたわ。

1回、ちゃんと聞いてみてもいいかなぁと思ったり。

No title

ヒマじゃなかったら、こんなアルバム参加しないっての(笑)
…いや、もちろん絶賛の意味で言ってますよ?

いや、ちょっと聴いてみてください。
アルバムとしても、けっこうバランスがいいので。
GO!GO!7188とトータス松本は必聴です。真剣に、いい!

1日五回はブログを覗かせていただいている大石です(笑)

録画していたポニョを見て(所ジョージさんが声優)ここを覗いたらこの記事でびっくりしました(笑)

7188好きなんで気になりますね。聴いてみよう。

No title

どんだけ更新待ってるんですか(笑)

そういえばポニョ、観たことありません。
まーだ、観ようっていう気持ちになってないんですよね。
いつになったら観るのかしらん。

GO!GO!7188良かったです。
通常のフルアルバムよりもちょっと安いので、良かったら。

初めまして

初めまして、こんにちは。
久しぶりに所さんの曲について書いてある方を見つけて嬉しくなって書き込みました。
パソコンの中でもあまり見かけないので・・(笑)

私はあまりCDを買う事は無いのですが、所さんのCDは20枚くらい持っています。高校生の時にラジオで聞いて、とっても自分に合ってるというか、好きなんです。僕の犬などの曲が好きになり、最近では「夕陽をとめて」が最高でした。
今回は「素敵な言葉は愛にうまる」がビフォアアフターでずっと前から使われていたのでいつCDで聴けるのか楽しみにしてました。

でも「制御不能」の「充電してますの 表示に電気使い 頭の悪さで死んでいく」は本当に所さんらしくて!!(その部分のメロディーも実に所さんらしい)
同じ事思っててそこに感動してブログに書いてる人を見つけて
とっても嬉しいです。

また所さんの曲の事思い立ったら書いて下さい。
長文で失礼しました。

No title

御返事遅れてすいません!菅家です。
所さんについて書かれたサイト、確かに少ないですよね。
もっと触れられてもおかしくないと思うんですが…。

「夕陽をとめて」、僕も好きです。
あの哀愁のある感じが、なんだか切なくなりますよね。
個人的には「気のきかないケーキで誕生日」も好きです。
氏らしくない曲ですけども。

「制御不能」は本当にいい!
所さんらしい視点の歌詞もいいですし、なにより久しぶりにロックなのもたまらない!
(割とアレンジを重視して聴いてみるタイプです)
次もこういうことしてもらいたいですねえ。

またアルバムが出たら、書くかもです。はい。

ダレダアmanのテーマの「マシマロは関係ない」は奥田民生のマシマロの最後のサビまんまですよ

No title

知ってます知ってます!無粋無粋!

No title

「邪魔にならない~」は片思いじゃなくて夫としての妻に対するラブソングだと思います。

No title

む、なるほど。確かにそうかもしれません。
トータスのイメージから、ついそういう風に受け取ってしまいました。
(なんとなく彼にはそういう役割が似合う気がするのです)
プロフィール

菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

連絡用メールアドレス
loxonin1000mg@yahoo.co.jp

Twitterアカウント
https://twitter.com/Sugaya03

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