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『情熱大陸』爆笑問題・田中裕二編マトメ

五月十六日放送の『情熱大陸』では、爆笑問題の田中裕二にスポットライトを当てたドキュメンタリーが放送されていた。なんでも、今回の放送で『情熱大陸』は放送回数600回目を迎えたとのこと。そこで、過去に番組で取り上げた人たちの今を見てみようというわけで、第4回放送で取り上げられた爆笑問題に、その白羽の矢が立ったということらしい。なるほど。経緯は理解できた。が、だからといって、二週連続で爆笑問題を取り上げるというのは、かなりの冒険である。太田はいい。問題は、田中である。

田中裕二。1965年1月10日、東京都中野区生まれ。日本大学芸術学部演劇学科に在籍中、太田光と出会い、1988年3月にお笑いコンビ爆笑問題を結成する。芸人としてはかなりの先輩に当たるダウンタウンの松本人志と比較して“西の松本・東の太田”と称されるほどの天才芸人、太田のパートナーである田中に対する評判は如何なものなのかか。番組では爆笑問題の周囲にいる人たちにアンケートを取っていたのだが、そこでの田中についての返答は“どこまでも凡人に見える”“太田さんの執事的な役割”“鬼才 太田光の横で普通にいられる所です”と、徹底してその“普通さ”が挙げられていた。それを受け、ナレーションは次の様に語る。「日本一の普通に迫る」。
 
爆笑問題の朝。太田光は車の後部座席でノートパソコンを開き、新聞各紙に目を通す。「どこが意見が違っているか」を知るために、様々な新聞を読むのだという。一方の田中も、車の後部座席で新聞に目を通す。ただし、その新聞はスポーツ新聞だ。「朝刊はサンスポ、夕刊は東スポ」。そんな生活を何年も続けているという。その日は『雑学王』の収録。新聞各紙に目を通した太田は、仕入れた情報を使ったボケで観客を笑わせる。一方の田中は、何も考えていない。誤字が書かれたカンペをそのまま読んでしまうという失態を見せ、本来はボケである太田にツッコまれる始末。

そんな田中に尋ねてみる。「普段、どうやって自分を磨いていらっしゃるんですか?」。すると田中は、こう答える。「磨いてないですよ……磨く?」「俺はね、ほぼ運ですよ」「俺はホントそういう人生だから、自分で切り開いた感はまったくないんですよね」。そういうスタンスの田中に、相方の太田はとても厳しく当たる。「田中くんは本当に、必要ないですからね」「お前なんか、ウソばっかりだ」。ある時、田中がスタッフを楽屋に入れようとしなかった。「ここで、ちょっと……」。一時間後、楽屋に入ってみると、机の上にはスポーツ新聞が。なんと、スタッフを追い出して、競馬の予想を立てていたのである。これには思わず、ナレーションも呆れるように「殆ど運」「馬体の一着」「手なりの勝利」「一体、この男……」。

続けて流されるのは、爆笑問題のネタ作り風景。田中が時事ネタを拾ってきて、それを使った太田とのテキトーな会話から、漫才を作り上げていく。このスタイルは、『情熱大陸』第4回が放送された12年前から、まったく変わっていない。その時に作られたネタは、後に国立演芸場で披露された。ツッコミ師としての田中には定評があり、アンケートでも“つっこみは日本一!!”“的確につっこむスピード”“田中さんのツッコミは無形文化財指定でいいと思う”と絶賛だ。しかし、漫才における田中のツッコミは、全て太田が指定しているという。そこで太田に聞いてみる。「田中さんの一番凄いところってなんですかね?」。すると、太田は次の様に答えた。「……考えない所ですかね」「まったく悩まないんですよ、コイツは」。

田中に対して否定的な太田。その意見はあまりにも辛辣に聞こえるが、実は田中も同様のことを考えていたという。「太田とは上手くいってないんですよ、実は。上手く付き合ってはないのね。太田は的確なツッコミをしてくれる人が大好きだから、例えばネプチューンの名倉なり、くりぃむしちゅーの上田なりの方が、太田と上手く付き合ってるんですよ。で、俺はたまに気付かないとか、間違ったりするんで、(太田が)イラッとしたりするんですね」。これに困惑したスタッフは、田中に「爆笑問題における田中の存在意義」について尋ねる。「太田とずっと一緒にやっていたら、面倒臭くなっちゃう人もいるだろうし、俺もたまにあるからね。あと、だから、色んな考えを持つ相方だと、ぶつかると思うんですよ。俺は本当に何も考えないで平気な人間なんで、その辺は一つありますよ」。何も考えない人間。だからこそ、太田の相方ができる。これが、爆笑問題の二人にとっての、田中裕二の長所であるらしい。

ところで、司会者としての田中もまた、評判が高いようだ。アンケートによると“慌てずスムーズに進行して頂けるところ”“ゲストの細かい発言まで良く聞いている”“すごい仕切り力 僕らの番組の羅針盤です”と、かなりの高評価だ。ここで『サンデージャポン』の現場が流れる。番組内VTRをチェックする太田と、徹底的に台本を読み込む田中。生放送番組である『サンデージャポン』で、田中は時間を意識しながらきちんと出演者に話を振っていく。「司会進行のコツは?」と尋ねてみると、「無いですよ!遊んでるだけ」「皆、プロだから、なんか喋ってくれるの。別に俺が何か引き出そうとしなくても、皆プロだから」「誰でも出来る感じ。ノート写すのと、そんな変わんない」

番組で共演しているテリー伊藤は、田中についてこう語る。「凄いやりやすいですよね。ホストとかやるといいんじゃない、聞き上手だから。あと……相手の心を、そんなに深く読まない所。これ実は凄く大切なことで、最近のお笑いの人たちはみんな凄い優秀だから、二手も三手も読むんですよ。相手から見るとそれは、辛いよね。受け取ってくれてるのか、観察されてるのかわかんない。人の力を引き出す才能っていうのを、物凄く持っているような気がしますね」。

番組で共演し、爆笑問題の友人でもある伊集院光は、アンケートで田中について“超普通です。もはや異常の域の普通。”と書いている。「太田総理がまだ夜中やってた頃に、やっぱりアメリカと日本の問題みたいなのがテーマで、太田さんが凄いキレて」「全員が圧倒されちゃってて、もう誰も喋れないような状況になっているときに、田中さんが言った言葉が「もうよく分かんないよ、あっち行けよ!」つったんですよ。もう、その時に一瞬にして和んで」「番組終わって、田中さんは最終的に普通だったなんてことになるけど、あの状況で普通の言葉を言える人っていないんですよ!」「なんつうの……なんでも斬れる刀を入れとく鞘ってスゴい、みたいな」。田中について「なんでも、どう言っても大丈夫」と語っている太田の姿は、そんな伊集院の自論をそのまま体現しているようだった。

最後に、番組は「情熱」からイメージされる単語を、爆笑問題の二人に尋ねている。田中の「情熱」は、【走る】。「まっすぐ走る。バーッと一直線に走っているのを想像しました。俺はあんま走ってないけど(笑)」。情熱とは無縁の男は、今日も普通に普通じゃない人生を普通に生きていく。これまでも、そしてこれからも。

 ・関連記事:『田中裕二(爆笑問題)の「ザ・ガール」』
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情熱大陸 600回記念シリーズ(1)非凡なる凡人 爆笑問題・田中裕二(毎日放送ほか、2010年05月16日(日)23:00-23:30)

○「情熱大陸」600回記念シリーズ(1)非凡なる凡人 爆笑問題・田中裕二(毎日放

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菅家しのぶ

Author:菅家しのぶ
お笑いDVDコレクター。2014年5月からコンテンツリーグ発行のフリーペーパー『SHOW COM(ショーコン)』で名盤DVDレビュー「神宮前四丁目視聴覚室」を連載中。

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